過去に「月給5万円で働かされた」などと明かして宗教法人「幸福の科学」に出家した女優・清水富美加(22)の騒動が話題となっているが「そんなの恵まれている」と言うのがお笑い芸人・三浦マイルド(39)だ。2013年に「R―1ぐらんぷり」で優勝しながらブレークできず、最近の月収は5万円にすら遠く及ばない。今年のR―1で決勝進出を果たし、起死回生の2度目のVを狙っている三浦が、清水どころではない厳しい極貧生活を明かした。

 三浦は28日に決勝戦が行われる“ひとり芸”ナンバーワン決定戦「R―1ぐらんぷり2017」で決勝進出を果たした。4年前に優勝したが「今回は覚悟が違う。前回は優勝できないと思って出たが、今回は優勝するしかないと思ってます。“2度目のR―1王者”の称号を背負う覚悟がある」と言い切った。

 R―1王者になりながらブレークできなかった原因に、東京進出が遅れたことがある。

「大阪のお客さんに育ててもらった。大阪でライブをやれる基盤を作ってから東京に行こうと思って、優勝してから1年後に来たんです」

 しかしこれが失敗だった。

「東京に来たら『もう遅い』と言われました。吉本の社員さんも『賞味期限切れてから来たな』って雰囲気。ホントは優勝してすぐ東京に来るべきだったけど、冷静な判断ができなかった」

 優勝した直後は、一時的に仕事が増えたこともあった。「優勝した後、最初の月収は60万円だったが、翌月から30万、20万、18万…と減っていった」。大阪で活動していた最後のころは15万円くらいだったという。

 東京進出後はもっと悲惨で仕事は激減した。

「だいたい月に4~5回の舞台があるだけ。営業はゼロ。吉本って競争が激しいんでね。芸人としての収入は今も月2万~3万円。1万くらいの時もある」

「幸福の科学」に出家した清水が「月給5万円で働かされた」と所属事務所を批判した騒動が話題だが「新人で月給5万は当たり前。というか、僕らのような芸人から見ると恵まれてる」。芸歴17年だが、今は月収5万円に遠く及ばない三浦の言葉だけに説得力がある。

 現在は都内にある、家賃16万5000円の4LDKの部屋を芸人4人でシェアして暮らしているが、生活はギリギリ。R―1の優勝賞金は500万円だが、もちろん残っていない。それどころか「借金もあります。150万円くらい。人から借りてるのが80万、消費者金融が70万ほど」。

 東京進出後、2年くらいは「荒れ狂ってました。飲みに行って悪口ばかり。後ろ向きでしたね」。そのうえ「大阪に帰るのはカッコ悪いことじゃないよ。向き不向きもあるし」と言われたこともあったが「その時は『帰ってたまるか!』と思いました」と三浦。

 キツイ経験もした。

「飲んでる客の前でネタをやる居酒屋があるんですが『終わったらさい銭箱持って客のテーブルを回ってくれ』と言われて…。小銭ばかりだけど、あるお客さんがクシャクシャに丸めた千円札を僕の口の中に入れようとしたんです」

 さすがに“それはできない”と思ったが「千円札を見て思わず、口を開けてしまった(笑い)。その時400円しか財布になくて、一瞬口を開けたけど『アカン、アカン』と。『すいません勘弁してください』と言いました」。

 前回、優勝した後は「怠けてしまった」と自己分析する。「おカネがあると遊んじゃうし、ネタも以前ほどのハングリーさで作れてなかった。いいネタって、キツイ状況に追い込まれないとできないって分かりました」

 その点今回、R―1で披露するネタは全く違う。「去年の10月、1か月間で芸人としての仕事は1日だけでした。歯がゆさと悔しさで泣きそうになりながら、毎日机に向かってネタを作った。そこで生まれたものなんで思いが乗っています」

 前回の優勝から4年間、地獄を見てきた男が奇跡の復活劇を見せられるか?

☆みうら・まいるど=1977年10月18日生まれ。広島県出身。本名・三浦健一。2000年に大阪NSCに23期生として入学。同期に友近などがいる。13年の「R―1ぐらんぷり2013」で優勝。今年の同大会で2度目の優勝を目指す。見た目から変えようと昨年10月からダイエットを開始し「15キロ落としました」。