消費者庁が認定するNPO法人から、またもやジャニーズ事務所にNOが突き付けられた! 特定非営利活動法人「消費者被害防止ネットワーク東海」(以下、東海)が、ジャニーズ事務所傘下企業で、チケット販売等を手掛ける「株式会社ヤング・コミュニケーション」に対し、14日付で申し入れ書を送付した。東海がジャニーズ事務所関連で申し入れを行うのは昨年10月に続き、2度目。同事務所のブラックな体質が次々にあぶり出されており“帝国”が激震に見舞われている。

 ジャニーズ事務所といえば、芸能界、メディアに大きな影響力を持つ芸能プロダクションとして知られる。そんな帝国側に対し、2度の申し入れを行うとは、東海も恐れ知らずだ。とはいっても、消費者庁から認定された「適格消費者団体」の東海が、是正の申し入れや差し止め請求訴訟を行うのは正当な行為だ。

「最近もKDDIやアマゾンに対して申し入れを行っているほか、宗教法人薬師寺に問い合わせ書を送っています。ジャニーズが芸能界でどれだけ力を持っていようとも関係なし。消費者の利益が侵害されるなら、容赦なく切り込むつもりのようです」(テレビ関係者)

 本紙既報通り、昨年10月に1度目の申し入れを行った時は、ジャニーズタレントのファンクラブを運営する「ジャニーズファミリークラブ」の会員規約3点について「消費者の利益を害する」と指摘。その後、同クラブからは12月9日付で回答(内容は非公表)が返ってきたとされるが、その当時に東海は、ジャニーズ事務所のチケット売買を問題視していた。今回はそこにメスを入れた格好だ。

 申し入れ書で指摘されたのはチケット販売規約の中の4点だ。①チケット購入申し込み後、または入金後のキャンセルや枚数等の申し込み内容の変更はできないとしていること②申し込みの際の申告事項に虚偽の記載、誤記、または記入漏れがあった場合、チケット代金の返還はしないこと③チケット発送の際、郵便局などによる不備や事故で責任を負わないこと④規約が事前の催告なく変更される場合があること――。

 これらの点が、いずれも消費者契約法10条に照らし合わせて「消費者の権利を制限し、保護していない」として是正を申し入れている。

 東海の野澤厚美事務局長は本紙の取材にこう語る。

「今回のジャニーズ事務所のチケット問題は、学識経験者や弁護士など21人で構成する検討委員会によって、まず12月7日に1回目が諮られました。その後、1月、2月に検討を重ねた結果『問題がある』と判断。申し入れを行うことを決定したのです。回答期限も3月14日に区切りました。まだ回答は届いておりません」

 1度目の申し入れ以降、東海にはファンからのジャニーズにまつわる苦情が相次いでいるが、今回もその声が発端だった。

「現在もジャニーズ事務所に対する苦情が増え続けています。メールやハガキ、封書など約150件はあるでしょうか。電話もありますね。これは他の企業と比べても異例といえます。もちろん、私たちはジャニーズファンの代弁者ではないので、すべてに応えるわけではない。あくまでも消費者契約法に抵触するケースに限ります」

 同事務局長の話では、今後も二の矢、三の矢がありそうだが、チケット販売はビジネスの根幹にかかわるだけに、ジャニーズ事務所も対応に苦慮しているようだ。

「(副社長の)メリー喜多川さんの機嫌が最悪です(苦笑)。もう事務所内はピリピリ。ただでさえSMAP解散騒動でイラついているのに、スタッフたちもいつ怒鳴られるかヒヤヒヤしています」(事情を知る関係者)

 とはいえ、芸能プロ関係者はブラック企業が問題視されるご時世だけに、自らも変化すべきとこう語る。

「最近、芸能事務所と所属タレント間のトラブルが後を絶ちませんが、もう昔のように『芸能界は特殊だから』では通用しなくなっているのかもしれません。ある事務所は、午前3時に会議が招集されることもザラ。政府が進める働き方改革どころじゃないんですよ」

 旧態依然とした“ブラックな体質”。それは指摘された帝国ジャニーズが率先して改善していくべきだろう。