「第71回毎日映画コンクール」の表彰式が15日、神奈川・川崎市のミューザ川崎シンフォニーホールで行われ、アニメ映画「この世界の片隅に」で声優を務めた女優・のん(23)が出席した。

 同映画は太平洋戦争時の広島を舞台に、主人公すずの家族愛を描く。すでに累計興行収入20億円を突破し、各映画賞でも受賞が相次いでいる。今回の映画コンクールでも日本映画優秀賞のほか、大藤信郎賞、音楽賞の3冠に輝いた。

 かんきつ系を思わせる鮮やかな色のワンピース姿で登壇したのんは「とてもうれしいし、興奮しています。監督、スタッフ、キャスト、そして見てくださった方に感謝しています。公開前から素晴らしい作品になったと確信していましたが、こんなに見ていただいてビックリしている」と受賞の喜びを語った。

 映画が支持された理由については「人は笑えることがあれば、どんなことがあっても明日が見えるという力強いメッセージがあることですね」。この言葉を聞いた司会の生島ヒロシ(66)は「いいこと言いますね~」と感心しきり。ところが、生島は続いて「じぇじぇじぇ」と言い放ち、のんが戸惑う場面もあった。

「じぇじぇじぇ」とは、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」で、のん(当時・能年玲奈)が驚いたり感動したときに使ったセリフだ。その直後、のんが所属事務所から独立し、改名する騒動があった経緯もあり、少々バツが悪かったかもしれない。

 それでも「この作品のテーマはどの国でも誰にでも響くと思います」と結び、会場から惜しみない拍手が送られた。

 なお、女優主演賞には「淵に立つ」の筒井真理子(54)、男優主演賞には「永い言い訳」の本木雅弘(51)が受賞。日本映画大賞には「シン・ゴジラ」が輝いた。