“頑張り屋さん”すぎたのか――。「ももいろクローバーZ」の妹分として知られる8人組アイドルグループ「私立恵比寿中学」の松野莉奈さん(18)が8日朝に急死し、衝撃が走った。前日7日に出演予定だった大阪でのコンサートを体調不良で欠席、自宅療養していたが、8日朝に容体が急変した。病死とみられるが、死因の特定には至っていない。関係者によると松野さんは「長身で目立つからと、何ごとにも一生懸命だった」という。人一倍の頑張り屋さんだったためにムリをして、最悪の結果を招いてしまったとしたらあまりにも悲しすぎる。

「エビ中のりななん」の愛称でおなじみだった松野さんが帰らぬ人となった。

 同グループは2009年8月に結成され、松野さんは翌10年2月に加入。12年5月にメジャーデビューして以来、同じ所属事務所の「ももいろクローバーZ」の妹分として、急成長を遂げた。

 松野さんはアイドル活動のほかにも、170センチの長身を生かし、女性ファッション誌「LARME」のモデルとしても活躍。大人びた表情を見せる瞬間もあった。

 とはいえ、グループ加入時はまだ小学5年生。本紙が入手した秘蔵写真は10年冬に撮られたもので、子供らしい無邪気な笑顔がはじけている。

 ある雑誌のインタビューでは得意科目は「図工と家庭科」で、苦手科目は「国語」と告白。好きな動物は「うさぎ」で、食べたいものは「生ドーナッツ!」と、かわいらしい回答が並ぶ。趣味はアイドルグループ「AKB48」のグッズ収集。推しメンは篠田麻里子(30)で、エビ中加入後も憧れの存在だったという。

 松野さんを知る人物は「何事にも一生懸命。メンバー随一の長身で、いやがおうにも目立ってしまうからと、その分、熱心にダンスの練習をしていた。AKB48の中でも長身(167センチ)だった篠田さんの影響も多分にあると思う」と語る。

 松野さんは7日に大阪で開催された同グループの「港カヲル 人間生活46周年コンサート ~演奏・グループ魂~」に出演予定だったが、体調不良を理由に欠席。入院はせず、都内の自宅で療養していた。

 容体が急変したのは、8日午前5時ごろ。部屋でぐったりした松野さんを見つけた両親が119番通報。救急搬送された病院で死亡が確認された。事件性はなく、病死とみられるが、死因は特定できていない。

 頑張り屋さんだっただけに、コンサートの欠席は無念だったに違いない。若さゆえに自らの体に十分な気遣いができなかったとしたら、あまりにも悲劇だ。

 松野さんは亡くなる直前までインスタグラムなどのSNSを更新していた。最後の投稿となった7日の家族旅行時の写真には、ファンから数千件のコメントが書き込まれている。どれもが「信じられない」という悲痛な叫びだ。

 芸能界にも激震が走った。きゃりーぱみゅぱみゅ(24)は「若くて一生懸命頑張っていたこが命を落とすのは悲しい」とツイート。過去に音楽イベントで共演した歌手の西川貴教(46)は「素晴らしいパフォーマンスで会場を盛り上げて下さった松野莉奈さんの突然の訃報…本当に残念でなりません」と嘆いた。

 大ファンだったAKB48からは、小嶋陽菜(28)が「私もアイドルをやりながらファッション誌に出ていたので、注目していました。透明感があってかわいい。これから出てくる子だと思っていたので、すごく残念です」と追悼。せめてものはなむけかもしれない。

「エビ中」メンバーは憔悴しきりで、小林歌穂(16)と中山莉子(16)はラジオ番組の生出演をキャンセル。関係者によると「涙も出ず、現実として受け入れられない子もいる」という。

 一部では「松野さんに脳関連の持病があった」という情報もあるが、死亡との関係性は不明だ。

 所属事務所「スターダストプロモーション」はこの日、ホームページ上で松野さんの死去を発表。死因には触れず「これまでの皆様のご支援ご声援に感謝いたしますとともに、謹んでご報告申し上げます」とした。

 アイドルの夢がかない、これからという時に…、ふびんすぎる。