昨年１２月３１日に死去したユニバーサルミュージックの元会長の石坂敬一さん（享年７１）のお別れの会が８日、東京・青山葬儀所で営まれ、弔辞を読んだ歌手の長渕剛（６０）が熱唱した。

　石坂さんは音楽ディレクターとしてビートルズやピンクフロイドなど名だたるロックスターを担当。邦楽本部長としても、松任谷由実（６３）、矢沢永吉（６７）、ＢＯＯＷＹなどそうそうたるアーティストを育てた。新人時代から目をかけてきた長渕もその一人。この日は音楽評論家の湯川れい子氏（８１）、富澤一誠氏（６５）に続いて弔辞を読んだ。

　祭壇に向かって深々と一礼した長渕は「石坂さん、お別れの会で弔辞を読むなんて思ってもみなかった。すごく悲しいけど、しっかり読めるかどうか…やりますね」と語りかけた上で、石坂さんとのエピソードを披露した。

　駆け出しのころの思い出や、長渕の自宅でノンフィクション作家の高山文彦氏（５８）と朝まで飲み明かしたこと、また音楽会社の重鎮に気さくに会わせてくれた話などを明かし、故人をしのんだ。

　そして、やおらマイクを手に持つと、ピアノの生演奏で自身のバラード曲「１２色のクレパス」を熱唱。約２３００人の弔問客を“長渕ワールド”に引き込んだ。同曲は２０１２年に死去した故二谷英明さんの告別式でも披露した思い入れのある曲だ。

　最後に長渕は「長年、私たち音楽人のために、命ある限り大切なことを教えていただきありがとうございました。そしてたくさんの愛情をありがとうございました。さらに歌を書き続けていきます。どうか、どうか見守っていてください。長渕剛」と語り、弔辞を締めくくった。