現在16歳以上と規定されている女性の結婚可能な年齢について、法務省は18歳以上と見直す方針だ。成人年齢を20歳から18歳へ引き下げる民法改正案に合わせ、婚姻適齢を男女統一する。今国会での改正案提出は見送られたが、早ければ2021年にも施行へ。“幼妻”を究極の理想とする男性もいるが、かなわぬ夢物語になってくる。

 婚姻適齢の民法改正は成人年齢の20歳から18歳への引き下げとの兼ね合いで、女性だけ成人年齢と婚姻適齢が一致せず、結婚に親の同意が必要なケースが残るため、18歳に統一する方針が固まった。今国会での提出は見送りだが、次の国会で成立すれば3年程度の周知期間を経て、16~17歳の女性が結婚できなくなる。

 婚姻適齢を規定した民法は明治時代の施行時は男性17歳以上、女性は15歳以上で、戦後に男性18歳以上、女性16歳以上と定められた。当時は女性の方が心身の発達が早いなどの理由で低く設定されていたが、平成の世では女性の高校進学率は飛躍的に伸び、16~17歳での結婚が減少。また男女で差があるのは不平等との声があった。

 厚労省の人口動態調査によると2015年に婚姻届を提出した女性約63万人のうち、16~17歳は1357人。1%未満ではあるが、1000人を超える“幼妻”がいるのも事実だ。

 法改正でどうなるのか? 若くして結婚する場合、妊娠・出産がきっかけのことも多い。ただ、18歳まで結婚できなければ、“未婚の母”が増えることも考えられる。

「相手が子供を認知してくれればよいが、10代の男女が婚姻関係もないまま交際を続けられる保証もなく、確実に未婚の母が増えるだろう。援助交際したり風俗で働いている女の子にとって、結婚は一つのセーフティーネットになり得たが、17歳未満を妊娠させても“結婚”という責任の取り方から逃げられるようになり無責任な男はかえって好都合と受け取るかもしれない」と若者事情に詳しい関係者は指摘する。

 また、過去にはタレントの三船美佳(34)が16歳の誕生日に、当時40歳だった「THE虎舞竜」高橋ジョージ(58)と“24歳年の差電撃婚”で話題を振りまいたが、18歳の結婚となれば、もはやインパクトは薄れる。

 ともさかりえ(37)主演の連ドラ「花嫁は16才!」(テレ朝系、1995年)も若社長(中山秀征)と政略結婚する替え玉の“16歳新妻”という設定がウケたが、今後は創作物の中でも若妻の設定は事実上、できなくなる。

 コミック業界にも大激震だ。「エロコミックで特に人気なのが幼妻シリーズ。ピチピチの女の子が不慣れな料理をつくって顔を赤らめたり、一つ屋根の下、同じベッド、お風呂で合法的にイチャイチャする内容は、たとえ自分には縁がなくても、あり得ない設定じゃないから興奮できた。法改正で幼妻モノが下火になるのは嫌だ」(マニア男性)

 法施行される間際には、思わぬ社会現象が生まれるかもしれない。

「“最後の16歳花嫁”を狙って女性の間で、駆け込み婚がはやるかもしれません」(前出の関係者)」。一方、“幼妻”との淡い夢を狙って、現役中学生を青田買いし、誤解や警察ざたになる騒動も予想されそうだ。