ドナルド・トランプ米大統領(70)が2日、宗教指導者らとの朝食会で、自身が司会を務めた人気リアリティー番組「セレブリティー・アプレンティス」が、アーノルド・シュワルツェネッガー氏(69)に代わったとたん、視聴率がガタ落ちしたと嘲笑。出席者に視聴率アップのため「何とかしてやってくれ」とジョークを飛ばし、両者のバトルに発展しているのは本紙で昨報したとおり。

 トランプ氏はさらにシュワ氏のカリフォルニア州知事時代も「ひどい仕事ぶりだった」と追い打ちをかけたが、米国民の多くは、トランプ氏にあきれている。というのも、世界一の大国のリーダーが、かつて自分が司会を務めた“たかがいちテレビ番組”の視聴率を持ち出し、自分がいかに偉大かと自慢する姿の異様さのためだ。

 だが、ウラには「トランプ氏と同番組との確執がある」と米紙ワシントン・ポストが報じた。理由は同氏の長女イヴァンカさん(35)の存在だというのだ。

 同紙によると、トランプ氏は大統領選に立候補するため2015年に番組を降板したが、後任にイヴァンカさんを推していた。ところが、「メキシコとの国境に壁を作る」という“荒唐無稽”な選挙公約を打ち出したトランプ氏に対し、同番組を制作するNBCは事実上“縁を切る”形となったのだ。

 その後、NBCはシュワ氏を後任にあてたため、自分の意向に反した同局をバッシングしているというわけだ。

 ちなみに、米メディアは「視聴率がガタ落ちしたとは言えない」としている。米紙ロサンゼルス・タイムズによると、1月30日放送「アプレンティス」の視聴数は約370万ビュー。トランプ氏が最後に司会を務めた15年シーズンの2月平均視聴数は600万ビュー。確かに数字は落ちているものの、04年に大人気となったファーストシーズンの最高が2100万ビューだったことを考慮すると、年々視聴率が下がるのは仕方がないとしている。