もはや賭けずに楽しむことが当たり前!?

「賭けずにマージャンをする人が、どれだけいるのか」と開き直ったのは福岡県飯塚市の斉藤守史市長(68)だが、辞職(31日)を目前にした29日、いかにその発言が現実とかけ離れていたのかを証明する大会が行われた。

 石川県金沢市で、お金を賭けずに楽しむ「健康マージャン」の全国大会「第1回 文部科学大臣賞 全日本健康麻将選手権」が盛大に開催された。

 この日は決勝に残った100人が一堂に会した。各地の予選に参加したのは10代から90代までの老若男女約3000人に上る。賭けてばかりだった市長が驚くであろう規模だ。

 健康マージャン人口は年々増え続けており、近年は地域におけるコミュニケーションの場として、また、脳活性化ツールとして、特に高齢者にウケている。今大会の優勝も70歳だった。

「まさに“集いの場”になっていますし、公共施設などを利用したマージャン教室や市民サークルの活動も活発になってきていますよ」とは「全日本健康麻将協議会」特別顧問でマージャンプロの井出洋介氏(60)。

 生涯学習の観点から、国や行政側も後押しするようになった。60歳以上を中心とした健康と福祉祭典「ねんりんピック」(厚生労働省主催)においても正式種目になっており、今回の大会では優勝者に文部科学大臣賞が授与された。開催地になった石川県の教育委員会なども後援している。

「私もいろいろな地域からお誘いを頂くんですが、健康マージャンを通じて『友達ができた』『外に出るようになった』といった方も多く、高齢者の引きこもり対策にもなっているんです」(井手氏)

 女性愛好者も多く、定年前によく遊んでいた男性は“昔取ったきねづか”を披露でき、異性との出会いにもつながる。もちろん、自慢や説教はNGだが…。

 マージャン自体、ネット上で遊べるゲームの普及により、一時期より若者の認知度もアップ。「精神力の強化につながる」という社会人も少なくない。

 今回の大会をきっかけに、ますます“賭けないマージャン”を楽しめる場が増加するかもしれない。