【ブルーリボン賞・主演男優賞】東京映画記者会(東京スポーツなど在京スポーツ新聞7紙の映画担当記者で構成)が投票で選ぶ「第59回ブルーリボン賞」の各賞が25日、決定した。主演男優賞には「聖の青春」などで熱演した松山ケンイチ(31)が選ばれた。

 29歳の若さで亡くなった天才棋士・村山聖(さとし)さんになりきっての受賞を、松山は皮肉っぽく喜んだ。

「村山さんは結局『名人位』を取れないんですよね。受賞はすごくうれしいけど“賞レースを全部スルーできたら役作りは完成だな”って思っていたので…。でも村山聖のおかげでここ(主演男優賞)に来られたのかな。今年はまた降格するでしょうね」

 投薬治療の副作用でポッチャリした体形だった村山さんに近づくため、最大で26キロも増量した。村山さんは「髪や爪にも命がある」との考えで、ずっと伸ばしていたために、撮影中は付け爪だった。松山は「鼻ほじる時が僕の感覚じゃないんで、鼻クソを取り切れないのは苦労しましたね」と振り返った。

 今回の受賞は、まだ妻の小雪に知らせていない。

「記事になったら見ると思うので、どれだけ僕に興味があるのかなって。そのままスルーされたら本当に俺に興味ないんだなって思う。その時は言いますけどね(笑い)」