映画コメンテーターの有村昆氏(40)、航空評論家の杉江弘氏(70)が25日、東京・港区のスペースFS汐留で行われたハリウッド映画「ハドソン川の奇跡」DVDリリース記念トークショーに出席した。

 米ニューヨークで2009年に起きた航空機エンジン事故の映画化で、メガホンを取ったのはクリント・イーストウッド監督(86)。事故で航空機はハドソン川に不時着し、奇跡的に“全員生還”したが、その後、英雄となった機長が思わぬ疑惑を掛けられてしまう。イーストウッド監督はその真実に迫った。

 杉江氏はパイロットとしての飛行時間「2万1000時間」の経験を持つ。事故の原因となった「バードストライク」も経験したことがあるという。

「鳥の大きさによって被害がピンキリ。スズメなどは全然被害がない。飛行を終えた後、エンジンに近寄ると焼き鳥のにおいがします。もう少し大きくなって、カモメやトビはダメージが出てきます」

 両エンジン停止の事故は「カナダ雁」の大群がエンジンに入ったことで引き起こされた。

「カナダ雁が大群で入ってきたことは想定外。2つのエンジンが両方とも止まるのも想定外。片方が動いていれば、航空機は飛べるが、このような事故の想定はしていない。訓練はするが、生還の答えはないんです」

 主演はトム・ハンクス(60)で有村氏も「演技が素晴らしい。結末の分かっている事故を映画にしたイーストウッド監督の手腕も素晴らしい」と大絶賛。杉江氏は「ハイテク全盛の時代に人間力が勝利したことが感動的です」と語った。