21日に亡くなった松方弘樹さん(享年74)は昨年2月、体調不良を訴えて長期療養すると発表した。当初は脳腫瘍が疑われていたが、入院先の病院で生検を行った結果、脳リンパ腫と診断された。開頭手術も検討されたが断念し、その後は投薬治療に切り替えた。所属事務所は「松方本人も『皆様からいただいております心温まる激励を糧に一日も早く病を乗り越え元気な姿をご報告できるように』と闘病生活への意気込みを語っております」と、復帰に向けた意気込みを明かした。

 抗がん剤と放射線治療を並行して行ってきたが、その最中に脳梗塞を3回発症。最近は意識が混濁しており、見舞い客が誰かわからない状態だと伝えられていた。

 脳リンパ腫に詳しい専門の医師によれば、リンパ腫はリンパ液ががん化するもので、体のどこに発症してもおかしくないが、脳にできるのはまれなケースだという。

 一般的には脳腫瘍が広く知られているが、脳リンパ腫は脳腫瘍とは別で発症する年齢はさまざま。高齢者だけではなく若年層でも発症することがあり、症状は頭痛や手足のまひ、嘔吐など発症部位によって異なるという。松方さんは頭痛や体のしびれを訴えていた。

 松方さんの闘病生活を支えていたのは、25年間寄り添ってきた内縁の妻で元女優の山本万里子さんだった。2人を知る関係者は「山本さんは25年間、一度も松方さんに結婚を迫らず彼を支えてきた。これまでに一緒に暮らした女性のなかで最高の女性でしたよ」と、その献身ぶりを明かした。

 その山本さんにみとられて天国へ旅立った松方さん。生前は361キロの超巨大マグロを釣り上げて世間を驚かせるなど、趣味の釣りにも情熱を注いだだけに、天国でも巨大魚と格闘しているに違いない。