倉本聰氏の弟子・山下澄人氏「芥川賞」受賞 電車内“スマホ執筆”で快挙

2017年01月20日 17時00分

芥川賞の山下氏(右)と直木賞の恩田氏

 第156回芥川賞・直木賞が19日に決定し、都内のホテルで記者会見が行われた。芥川賞に「しんせかい」(新潮社)で4度目の候補に挙がっていた山下澄人氏(50)が、直木賞に「蜜蜂と遠雷」(幻冬舎)で6度目の候補になっていた恩田陸氏(52)が選ばれた。

 山下氏は演出家倉本聰氏(82)が主宰する富良野塾の2期生で劇団「FICTION」を主宰。創作時に変に構えたくないと、電車の中でスマホで執筆するのが山下流。富良野塾を舞台に先生の下で俳優修業するという自伝的小説での受賞となった。

「すごいなあ、芥川賞…。痛快。だって、ボクが芥川賞作家ですよ。ウソやろ…友達はビックリするだろうと思います」。ポツポツと出る言葉にはどこかおかしさが漂い、会場の笑いを誘った。

 報道陣から「倉本氏はどんな存在か」と聞かれると「若い時に両親が死んだので、父親みたいなもんですね。(受賞)会見をどっかで見て怒られるんじゃないかな」と照れくさそうに語った。

 直木賞を受賞した恩田氏は「新年会を兼ねて居酒屋で集まって」受賞の連絡を待っていた。

「(連絡が来る)7時すぎからは皆、緊張しちゃって7時からがつらかった。この後、ゆっくり飲みたいと思います」とホッと胸をなで下ろした。

 幼少期からピアノを習い、早稲田大ではビッグバンドでアルトサックスを吹いていた恩田氏。ピアノコンクールを舞台に人間の才能や運命を12年かけて描き出したのが「蜜蜂と遠雷」だった。

 ピアノと文芸の共通点を聞かれると「どちらの世界もいつも新人を探していて続けていく。難しい商売という点はすごく似ている」と恩田氏。

 小説の世界でプロ25年目にしてつかんだ直木賞。「昔は一気に読めるようなものをおもしろいと思っていたけど、いろんな種類のおもしろさを体感できる小説を書いていきたい」と意欲を語った。