嵐の櫻井翔(34)が月曜限定でキャスターを務める「NEWS ZERO」(日本テレビ系)で、早ければこの春にもメーンキャスターに昇格するという。櫻井は2006年秋にキャスターに就任して丸10年。ジャニーズ事務所ではいまや多くのタレントが番組司会者、キャスターとなっているが、その草分け的存在だ。櫻井のメーン就任は、今後のジャニーズのアイドルの育成方針にも影響を与えるという。

 そもそも櫻井のキャスター兼業は、嵐のメンバーとしての活動と兼業だったため、ジャニーズ事務所としても週1回が条件だったが、その状況が変わったという。

「当初、月曜日限定なのは本業であるアイドル活動に支障をきたさないようにというジャニーズの配慮からだった。だが、今回のメーン昇格話は、ジャニーズサイドから投げられ、日テレサイドもそれは願ってもない話と合意したということ。週1日から5日になるわけで、嵐の方の活動が副業にもなりかねない転機ともいえる」(日テレ関係者)

 アイドルを輩出してきたジャニーズだが、最近はそのアイドルたちがテレビ番組司会者として活躍している。元SMAPの中居正広(44)がバラエティー番組を仕切る大物となった。

 情報番組のキャスターでもV6の井ノ原快彦(40)が「あさイチ」(NHK)、TOKIO・国分太一(42)は「白熱ライブ ビビット」(TBS系)、NEWS・小山慶一郎(32)は「news every.」(日テレ系)、KAT―TUNの亀梨和也(30)は「Going!Sports&News」(同)にそれぞれ出演している。

 こうしたアイドル→司会、キャスター業進出の流れから見えるように、ジャニーズ事務所も戦略の大転換期を迎えているという。

「今後はアイドル育成よりも、キャスター育成に力を注いでいくということ。事務所内に“キャスター部”を設立するという方針です。今後のジャニーズJr.(ジュニア)を選抜するオーディションも、以前は一に顔、二に歌唱&ダンス力、三に愛嬌だったのから、一に学力、二に学歴、三が顔…という方針に変えるというのです」(事情通)

 この背景には、昨年いっぱいで解散したSMAPの影響が大きいという。年明けから元SMAPメンバーはジャニーズに所属しながら、それぞれ別の道を歩み始めたが“事務所派”の木村拓哉(44)以外の4人は“コントロール不能状態”といわれる。

「メンバーの要求に屈する形で解散を認めてしまったジャニーズは、近い将来、他のアイドルグループからも似たような流れで解散を要求されかねない。ポストSMAPといわれる嵐も人気は下降気味ですから、SMAPの二の舞いもあり得る。アイドルグループとは別に、個々に売り出すための方法としては賢明な防衛策なんです」(芸能プロ関係者)

 さらには、各テレビ局の出演料の相次ぐ値下げや各タレントのCDの売り上げ減少、コンサートの集客力低下なども方針変更に影響したようだ。

「週1回とはいえ、櫻井はキャスターに抜てきされて丸10年たちましたからね。他のタレントもいったん司会、キャスターになれば、息が長く安定した収入が事務所に入ってくるし、知的なアイドルというイメージづくりもできるという戦略なのです」(同)

 この“キャスター戦略”のきっかけをつくった櫻井は慶応大卒、父親はキャリア官僚(昨年退官)というバックボーンがあった。

「ジャニーズとしては櫻井をメーンキャスターに昇格させ、この後に続くアイドル兼キャスターの目標として確立させたい。今後は箔付けのためにも、ジュニアの選抜方法として名門小・中学校卒が有利になるかもしれない」(同)

 男性アイドルも学歴が必要という厳しい時代に突入しそうだ。