くまモンやふなっしーに続くことができるか!? 2020年東京五輪・パラリンピックのマスコット選考検討会議が17日にスタートした。炎上したエンブレム選考を取りまとめた宮田亮平文化庁長官(71)を座長に据え、タレントの中川翔子(31)らが参加している。3月末までに選考方法を決める予定だ。選ばれたマスコットは、グッズになり大会組織委員会の収入源になる。2大ゆるキャラの稼ぎっぷりに衝撃を受けたという小池百合子東京都知事(64)も興味津々だ。

 選考方法は国際オリンピック委員会(IOC)の承認が必要。エンブレムのときのようにアマチュアが参加できるかはまだ分からない。エンブレム騒動の二の舞いを防ぐためには国民参画も考えなければならない。この日は透明性の高い選考と愛されるマスコットを目指すことが確認された。魅力的なマスコットを作ることは、公式グッズの販売で収入増につながる。

 だからこそ小池氏は興味津々だというのだ。公式グッズが売れて大会組織委員会の収入が増えれば、五輪開催経費の分担問題で都の負担が減ることにもつながる。都政関係者は「組織委員会は風呂敷やトートバッグなど公式商品を販売し、それが即日完売していました。小池氏は風呂敷をスカーフとして使って宣伝しまくっていたことから、新年会の席で『森(喜朗)さんは私に感謝して』と冗談を言っていましたね」と話した。

 これと同じようにマスコットは格好のビジネスになりうる。小池氏はそれを身をもって知っているのだ。

 昨年、都庁に熊本県キャラクター「くまモン」が訪れたときは、その稼ぎっぷりに目を白黒させた。くまモンの関連商品の売り上げは2015年に年間1000億円を突破。将来的に2000億円規模になると聞いて、小池氏は衝撃を受けてすぐに都にゆるキャラがいないのか確認し、有名キャラがいないことを知ると肩を落としていた。

 それだけではない。小池氏にマスコットの重要性を教えたゆるキャラはほかにもいる。今月、小池氏は障害者スポーツ啓発のためのイベントに参加。別の都政関係者は「小池氏のファンとみられる緑色を身につけた人たちが集まりました。事前に『百合子コール』の打ち合わせをしていました」と振り返った。

 温かい歓声を受けて登場した小池氏は「今日はゆるキャラが参加してくれる。くまモンに船橋市非公認のふなっしーも」と話すと大きな拍手が。

「すごい人気ね。東京の『ゆりーと』も来てます。知ってるかな?」(小池氏)

 ゆりーととは都のスポーツ推進大使のマスコット。かろうじて観客に知っている人がおり、小池氏はホッとしていた。

 しかし、ふなっしーとは雲泥の差だった。いざふなっしーが登場すると、地鳴りのような歓声。会場にはふなっしーを模したフードをかぶった人があちらこちらに。驚いて口をあんぐり開ける小池氏は何度も振り返って、ふなっしーの挙動を確認していた。

 かつて、ふなっしーの経済効果が8000億円になると報じられたこともある。

「小池氏はマスコットのすごさを実感している。この大きなビジネスチャンスを見逃さないでしょう」(前出の都政関係者)

 計14人の検討会議メンバーに都の職員はいないが、小池氏がマスコット選考にただ黙っているはずがない。きっと盛り上げてくれるはずだ。