巨匠スコセッシ監督 「沈黙」が撮影まで20年以上かかった理由

2017年01月18日 11時00分

来日会見を行ったスコセッシ監督

 映画界の世界的巨匠、マーティン・スコセッシ監督(74)が16日、都内で行われた新作映画「沈黙―サイレンス―」(21日公開)の来日記者会見に出席した。

 この映画は作家・遠藤周作氏の同名小説が原作。キリスト教が弾圧された江戸初期、長崎における隠れキリシタンと宣教師の物語が描かれている。

 同じくキリスト教をテーマにしたスコセッシ監督の映画「最後の誘惑」が公開されていた1988年ごろ、偶然出会った司教から手渡され原作に出合ったが、当初は「どう映画を作るべきか、どのように原作を解釈するべきか分からなかった」と明かした。

 2003年ごろから「撮影したい」と強く思うようになったが、当時は毎年新作を製作するなど多忙を極めていたため「沈黙」の撮影に取り掛かることができなかった。

 映画化の権利を持っていながら一向に撮影しなかったため、契約を結んだ製作会社から12年に訴訟を起こされた。本人は「撮影を引き延ばしているうちに裁判沙汰にもなったよ」とネタにして笑い飛ばしたが、一歩間違えれば、作品が世に出なかった可能性もあったのだ。

 映画化の契約を結びながら20年以上も放置したことについて映画関係者は「本人も言うように、日本人的な内面が描かれている原作を理解するのにかなり時間がかかった。スコセッシ監督はよく『自分が撮りたい映画しか撮らない』と言っているから、納得できるまで撮影に入らなかったのでしょう」と分析した。

 この映画には日本から浅野忠信(43)、加瀬亮(42)、窪塚洋介(37)、イッセー尾形(64)らが出演。スコセッシ監督が満を持して撮影した作品で、どんな演技を見せているのかも注目されるところだ。