覚醒剤取締法違反（使用）の疑いで１１月２８日に逮捕されたＡＳＫＡ（本名・宮崎重明＝５８）が１９日、不起訴処分となり、午後７時すぎに、勾留されていた東京・湾岸署から釈放された。警視庁は、逮捕前にＡＳＫＡから自身の尿として任意提出を受け、覚醒剤成分が検出された液体について、ＡＳＫＡの尿と立証できなかったことが不起訴の決め手になった。

　黒のシャツの上にグレーのジャケットを羽織ったＡＳＫＡ。警察官に先導されるように正面玄関から現れた。釈放されたことが当然と言わんばかりの笑みを浮かべ時折、首をかしげ、会釈のようなしぐさを見せたものの、報道陣の問いかけには何も答えず、無言で迎えの車に乗り込んだ。

　ＡＳＫＡは１１月２５日に盗撮などを訴えて自ら警察に通報。その際、意味不明な言動があったため、駆けつけた警察官から要請された任意の尿検査で覚醒剤の陽性反応が出たことから、同月２８日に逮捕された。

　１９日が勾留期限とあって、湾岸署には朝から多くの報道陣が詰めかけた。昼すぎに「不起訴で釈放では」との情報が駆けめぐり、夕方に「不起訴処分決定、釈放へ」の一報が入ると、報道陣ややじ馬など約２００人が湾岸署前に集結。さらに釈放後は車両やバイクのほか、空からヘリコプターがＡＳＫＡを追跡した。