「キセキ」「遥か」などのヒット曲で知られる人気ボーカルユニット「GReeeeN」が8日、NHK総合「SONGS」で音楽番組に初出演した。

 HIDE、navi、92、SOHはそれぞれがデフォルメされた着ぐるみで登場。結成のきっかけや「キセキ」の誕生秘話を明かした。ナレーションは楽曲「キセキ」が誕生するまでの歩みを描く映画「キセキ —あの日のソビト—」(来年1月28日公開)でリーダーのHIDE役を演じた俳優・菅田将暉(23)が担当した。

  GReeeeNは2007年、顔を見せずシルエットで歌う「福島県の大学歯学部に通う4人組」としてデビュー。翌08年にリリースしたシングル「キセキ」で大ブレーク。現在は音楽活動と歯科医を両立している。
 
 デビュー当初、東京のライブで衝撃を受け「何かやらんといかん」と決意。「ライブでどうしたら輝けるのか」と考えた4人が練習場所に選んだのは「夜のダム」だった。自動車のライトをつけ、その影を見てダンスの振りを合わせたという。
 
 結成から2年、メジャーデビューを持ちかけられたが、SOHは進路(歯科医)に悩んでいたという。HIDEは思いを込めた曲をサイトに掲載。その歌詞に心を打たれたSOHは活動継続を決意した。それがメジャーデビュー曲「道」(2007年)だった。

 音楽作りと歯科医になるための国家試験との両立は過酷を極めた。「勉強時間は1日20何時間」で学校→自習室→ファミレスとハシゴし、夜が明けたら帰宅というルールを決めていたという。「1年間ベッド禁止」「ぬるいお風呂につかって1時間くらいたつと寒くなって目が覚める」と想像を絶する受験生活を振り返った。

「顔を出さないライブ」をスタートするきっかけは東日本大震災だ。歯科医として避難所を巡回していたメンバーは、ある場所で音楽を聴いていた女子高生を見かけた。被災者の心を癒やしていたのはGReeeeNの曲だった。音楽の力を再認識したメンバーは、ライブの再開を決意。顔を出さずにパフォーマンスできるよう「モーションピクチャー」を利用し、2012年にデビュー以来となるライブを開催した。

 GReeeeNの楽曲はラブソング、応援歌として人気があるが、中心にあるのは「愛情」だ。それは家族、友人、恋人それぞれに対して「真剣に向き合うこと」と強調した。