俳優・佐々木蔵之介(48)が4日、大阪城ホールで行われた年末恒例のイベント「サントリー1万人の第九」に出演した。

 今年で34回目を迎えた同イベント。佐々木は2013年にスタートした「第九」演奏前の朗読企画に登場。「歓喜の歌」の原詩であるフリードリヒ・フォン・シラー作「歓喜に寄せて」を翻訳・編集した「よろこびのうた」を1万人の前で朗読した。

「私のような一役者が、こういう音楽の会に参加させていただくことがないので幸せでした。34回も継続されている力を感じました。僕は、そのおこぼれをもらい過ぎてる」

 10月に佐々木酒造会長を務めた父・佐々木勝也さん(享年83)を胃がんで失った。「『第九』の朗読のオファーをいただいたときに、父に言ったらすごく喜んでくれたんです。病室の看護師さんにも『息子がやるんだ』と言ってたみたいです」と明かした。

 残念ながら、父にその姿を見てもらうことはかなわなかったが「この『第九』は天上に、宇宙に向かって…最後はね、僕、(大阪)城ホールの天井を見上げてしまったんです。ブワーッと光が立ち上っていくような感じで、すてきな場所にいさせてもらえてると思いました。きっと届いてると思います」。

 朗読について、イベントの総監督・指揮を務めた佐渡裕氏(55)は「素晴らしい朗読で、聞いてる人たちにメッセージが深く届いたのではないか」と絶賛。これまでは女優・仲間由紀恵(37)など女性が務めてきたが「蔵之介さんの評判がいいので、今後は男性になりそうな勢いですね。ただ、女神もやっぱり出てほしい」と残念そうに話して笑わせた。

 イベントの模様は、TBS系「1万人の第九~発見!理由(ワケ)ありクラシック」(23日午後1時55分)で放送される。