「ブラック企業大賞」ジャニーズ事務所 幻の候補だった

2016年12月03日 16時30分

ジャニーズ事務所はブラック企業?

 今年で5回目を迎える「ブラック企業大賞2016」(弁護士やジャーナリストら同大賞実行委員会主催)のノミネート企業発表記者会見が1日、厚労省で行われた。出揃った10社の中にその名はなかったものの「ジャニーズ事務所を大賞にしよう」と根回ししていた集団がいたことが判明。解散決定に至る過程でメンバーが所属事務所から受けた扱いに憤るSMAPファンの希望は実らなかった。

 

 今年の「ブラック企業」のキーワードはズバリ「長時間労働」だ。

 

 昨年末に新入社員の女性(24=当時)が過労の末に自殺した問題で強制捜査を受けた大手広告代理店「電通」をはじめ、11年に社員が過労やパワハラを苦に自殺し、仙台地裁が今年、うつ病発症の原因を上司のいじめと認定した「佐川急便」などがエントリーされた。

 

 選考委員を務める佐々木亮弁護士は「少し前までの相談は“リストラ”“追い出し部屋”がキーワードだったが、今年は長時間労働に加え、人手不足で『会社を辞めさせてもらえない』という事例が増えている。中には『新しい人材の採用に50万円かかる』と脅され、職場にとどまっている人もいる」という。

 

 今年、ノミネートされた企業は以下の10社。

 

 エイジス(棚卸し代行業)、電通(広告代理店)、ドン・キホーテ(ディスカウントストア)、プリントパック(印刷サービス)、関西電力(電力)、佐川急便(運送)、サトレストランシステムズ(飲食)、仁和寺(宗教法人)、ディスグランデ介護(デイサービス事業)、日本郵便(郵便事業)。いずれも法外な残業時間や労務環境が問題視されている。

 

 実は、ノミネートには至らなかったものの、SMAP解散騒動にからみ、ジャニーズ事務所の名前も挙がっていた。

 

 選考委員の内田聖子アジア太平洋資料センター事務局長によると「『ジャニーズ事務所こそブラック企業だ!』という声が手紙で100通超、メールでも数十件寄せられた」という。

 

 当時マネジャーだったI女史と創業家一族の内紛に端を発したSMAP解散騒動は今年最も大きな“事件”の一つだった。

 

 スーツ姿で顔面蒼白になりながらテレビ生謝罪をさせられたメンバーの姿は、1人事務所残留を決めた木村拓哉(44)を除き、他の4人はプライドもズタズタに。SMAPファンのみならず、一般のサラリーマンも「公開処刑」「事務所のパワハラ」との声が上がった。ファンにとってはジャニーズ事務所による冷酷な仕打ちに映ったのだろう。

 

 だが、同大賞の選考基準が「労働法、その他法律に抵触」「パワハラなど暴力的強制が常とう手段」「裁判などで企業側の非が確定、または行政処分された企業」であるため、ノミネートは見送られた。

 

 実行委は「SMAPファンの熱い声は届いている」としているが、もし、ジャニーズ事務所がエントリーされていれば、さらに“組織票”が集まりダントツの得票数をゲットしたのは間違いない。

 

 同大賞の投票は、ホームページで22日午後5時までウェブ投票が受け付けられる。授賞式は23日、都内で行われ、大賞企業には労働法の事典やトロフィーが贈呈される。ノミネート企業には招待状が送付されるが、これまで出席した企業関係者はない。