年の瀬の風物詩「自由国民社『現代用語の基礎知識』選 2016ユーキャン新語・流行語大賞」の表彰式が1日、都内で行われ、年間大賞に「神ってる」が輝いた。トップテンには「ゲス不倫」も選ばれたが、この言葉が生まれた不倫騒動を起こしたベッキー(32)など当事者は欠席。同賞選考委員の漫画家・やくみつる氏(57)は本紙に「ベッキー欠席の無念さ」をこぼし、流行語大賞の“やくみつる的総括”を語った。

 授賞式には、欠席したベッキーに代わり、スクープした「週刊文春編集部」記者が受賞した。

 文春記者が「今後の張り込み取材に影響が出るので」と顔バレNGのため、同誌のマスコットキャラクター「文春(ふみはる)くん」のマスクをかぶり登壇。「本当はベッキーさんとかが、ぜひもらう賞だとは思いますが(一連の不倫報道があった有名人を)代表していただきます」とコメントした。

 司会の生島ヒロシ(65)が「ベッキーさんの事務所の社長に電話したが、来られなかった。来たら(文春記者が)殴られていた」と、ベッキー側がオファーを断っていたことを明かした。

 授賞式終了後、選考委員を務めたやく氏は本紙に「東スポが『出席する』と書いたから、期待したじゃないですか!」と苦笑交じり。ベッキーに向けてこう語った。

「この場を“清算の場”にしてほしかったですね。コソコソせずに出てきてほしかったなあ。壇上でうまいコメントすれば、もう終わっていたんじゃないかな。今年で終わりにすればよかった」

 まだ、本格的な復帰とは程遠いベッキーだけに、やく氏の言う「清算の場」は今後、必要になってくるだろう。

 年間大賞に輝いた広島カープ・緒方孝市監督(47)が鈴木誠也外野手(22)を評した「神ってる」については「選考委員がそれぞれの言葉に点数を付けて、ある程度の絞り込みをするのですが、この『神ってる』は一番点数が高かった。野球をあまり知らない選考委員でも知っていた言葉ということで、大賞にふさわしかったのでは」とやく氏はダントツだったことを明かした。

 今年は「ゲス不倫」のほかに、先日、覚醒剤使用の疑いで再び逮捕された歌手・ASKA(58)や元プロ野球選手の清原和博(49)、元俳優の高知東生(51)、元女優の高樹沙耶被告(53)など著名人の「薬物事件」も世間に大きな衝撃を与えた。ところが、流行語大賞のノミネート30語にも薬物に関するワードは一つもなかった。

 この点について、やく氏は「私は(清原事件に絡んで報じられた)“シャブばばあ”という言葉を推薦しましたが、議論の対象にもなりませんでした。言葉の響きは印象的だったんですけどねぇ。もう少しタイミングが合えば『医療用大麻』という言葉は入ってもおかしくなかったのでは。薬物関連の言葉はスポンサーも嫌がるでしょうけどね」と、社会に暗い影を落とす言葉は選出されにくい傾向にあるという。

 やく氏は「個人的には『意識高い系』という言葉が選ばれてもよかったと思う。もともとの意味から使い方が変わってきている」と指摘する。

 本来は能力や行動力が高い人間を指す言葉だったが「突出した人間を笑う言葉として使われるようになった。平等を求める社会が(目立つ人間の)足を引っ張るような言葉になってきた」とやく氏は解説した。

 一方「(僕の)アモーレ」では、“生みの親”であるサッカー日本代表DF長友佑都(30=インテル)に代わり、婚約者の女優・平愛梨(31)が白のドレス姿で登壇した。

「この賞を手にして驚いています。すてきな賞をいただきました」と涙声であいさつし「みなさんにアモーレと温かく声をかけていただきました。遠距離の私たちには大きな力になった。プライベートな会話で『僕のアモーレはどうしてる?』とか言っていたのですが、(公の場で言われるのは)びっくりしました」とエピソードを披露した。

 長友へのコメントを求められ「末永くお願いします」と幸せなそうな表情を浮かべた平は、生島から「華燭の典は?」と問われると「年末に長友さんと2人で一緒にお伝えできたら」と挙式日程を発表することを明かした。