プレミアムの付いた古い映画のチラシやパンフレットなど約100枚(計1270万円相当)を知人男性宅から盗んだとして警視庁築地署は28日、札幌市白石区の俳優綿谷優治容疑者(30)を窃盗などの容疑で逮捕した。

 知人の留守宅から映画チラシが入ったアルバム1冊を盗んだ疑い。築地署によると綿谷容疑者は「借金の返済でお金がなくて困っていた」と容疑を認めている。

 チラシ50枚を計50万円で古書店に転売していたとみられる。盗んだチラシの中で最も高額なものは、クリント・イーストウッド主演映画「奴らを高く吊るせ!」で約60万円相当というから目玉が飛び出そうだ。

 都内の古書店主は「確かに『奴らを高く吊るせ!』のチラシは希少価値がある」とした上で「警察がどのように値段を算出したのか分かりませんが、ネットオークションの出現で“プレミアム”チラシの相場はぐちゃぐちゃになり、古書店で昔のように数十万円の高値で取引されるチラシは今はありませんよ」と明かす。

 どういうことなのか。

「昔はプレミアムチラシの窓口になるのは古書店しかなかったが、今は個人がネットで売買できる時代。“希少品”が画像付きで市場にあふれた結果、プレミアムがプレミアムでなくなってしまったのです。その上、カネに糸目をつけない一部の金持ちが、ネットオークションで高額で落札したりすることで相場が崩壊。その結果、全体的な価格下落を招いたのです」という。

 つまり、購入時の価格で計1270万円相当の価値のあったお宝コレクションも、実勢価格はだいぶ下がってしまっているようだ。持ち主にとってはダブルショックだろう。