名古屋発のアイドルグループ「BOYS AND MEN」の自伝的映画「BOYS AND MEN~One For All,All For One~」が先月から順次全国公開されている。来年1月に武道館ライブを行うまで成長したボイメンの軌跡を追った作品だが、リアルな設定ゆえに事実とフィクションの境目がかなり曖昧だ。その「ウソ」と「ホント」を、ボイメンリーダーの水野勝(25)と小林豊(27)が明かした。

 ――自分を演じた

 水野:リアルな部分とリアルじゃない部分の共存が難しかったですね。やったことがないことも、あたかも経験してきたみたいに演じないといけない。

 ――本当ではない部分とは

 水野:まず社長(谷口誠治フォーチュンエンターテイメント代表取締役社長)とバトったことないです。

(水野の告白に小林が爆笑)

 水野:あと、ボイメンが調子乗ってるっていうところ。ファンレターを読んでいないという部分も。今まで一生懸命走ってきて間延びしたことがなかったから、逆にあの演技は難しかった。

 小林:ケンカの部分ですね。僕、関西出身で、関西弁が出るとすごく怖く聞こえるみたいで、普段の感じでやってみたら、怖すぎるからちょっと抑えてといわれた。

 水野:映画は大分抑えてます(笑い)。

 ――作中で水野さんは「リーダーを辞めたい」と言っていましたが

 水野:今でも、というかスタートしたときから思ってます。

 ――どうして

 水野:結成当初から、いろいろなテレビやラジオ番組に出させてもらったんですけど、「面白くないのはお前の責任だ」とずっと言われて。自分のことに集中できないんです。ほかも生かさないといけなし。目立とうと思えばもっと目立てるんです。自分がドリブルし、自分でパスしてゴール決めることまでできるんですけど、それを抑えてほかを生かすというのが難しいし、もっと目立ちたいという欲も人間だからある。周りを生かしながらそれを行うというのが難しいですよね。

 ――でも成長した

 水野:パーソナリティーもやらせてもらっているので、どんな人がゲストで来ても楽しい番組が作れるな、という自信にはなりました。

 ――小林さんはボイメンを辞めて、一人で東京に来いという場面がありましたが…

 小林:どうかなー(笑い)。でも映画のように直接呼ばれて「辞めておいで」と言われたことはないですけど、ポロッと「うちに来れば売れるのに」って言われたときに「あ、こいつ、ナメとんな」って思いましたね(笑い)。

 ――作中には卒業という単語も出てきます

 小林:僕なんてずっと言われてるんですよ。仮面ライダー(鎧武=2013年)に出たときに、「あ、ライダーに出たから次の年卒業するね」って言われてて。ライブのタイトルが「俺、卒業します」だったんだよね。

(小林の言葉にうなずく水野)

 小林:「ついにきたか、ゆーちぇむ卒業」みたいに言われてて。でも俺、卒業せんから(笑い)。いまだに「誰かいつか卒業するんじゃないか」って言われるんですけど、ボイメンに卒業システムないですから。

 水野:ないです(笑い)。そこがフィクションなんです。今のアイドル像がそうじゃないので、リンクしてしまう。でもボイメンはボイメン。卒業はないですね。

 ――不滅

 水野:そうですね。TEAM NACKSさんみたいなグループになりたい。ちゃんと個々で活躍している。

 小林:20年たつと僕なんてもう50近いんですよ。若いのでも45とか。でもそんなのが踊ってたら面白いやろって社長が言ってて、その絵が一つの夢。夢って思った瞬間にそれをかなえないと、諦めたことになってしまうから、俺はかなえたい。みんなでヨボヨボになりながら、「手上がらへん、四十肩」と言いながら(笑い)。