ゾンビになった仮面女子候補生WEST…特殊メークの餌食に!

2016年11月18日 17時03分

特殊メークに挑戦する仮面女子候補生WEST(左から渚、美音、星宮、上下)

【大阪スポーツ:大人の社会見学】エンタメ界の藤子不二雄を目指すフリーライター&カメラマンの前川元と、放送作家&コラムニストの岡力がナビゲートする大人の社会見学(略してOSK)。今回は関西で活躍している特殊メークアーティストのもとを訪れました。連れて行ったのは、仮面女子候補生WEST。かわいいアイドルが血みどろメークの餌食になって、オッサン2人も思わず「ギョエ〜!」(大阪スポーツ「DNA」)。

<今回の訪問先=特殊メークスタジオ「KID’S COMPANY」>関西を代表する特殊メークアーティスト・仲谷進さんが1992年に大阪で設立。映画やコマーシャル、テレビやイベントなどの特殊メーク、特殊造形を幅広く手がける。一般の人でも気軽に特殊メークを楽しめるようにと、ワークショップやイベントも積極的に行っている。

 今年もハロウィーン、エライ盛り上がってましたなあ。街はゾンビをはじめ、いろんな扮装の人であふれてたけど、ああいうのはどこでしてもらうんでしょうか。「特殊メークの先生がいるんじゃないですか」(岡)。ということで、仮面女子候補生WESTの美音咲月(みね・さつき)、渚りりか、星宮りり、上下碧(うえした・あお)の4人を連れて、特殊メークアーティスト・仲谷進さんのもとを訪れた。

「せっかくなので、この子たちをゾンビにしちゃってください!」と前川が切り出すと、仲谷先生は笑顔でコックリ。それを合図に「みんな、仮面を取って!」と岡が叫ぶと、素直に仮面を取る4人。あれ? みんなかわいい。かわいいから仮面をつけてジラしていたのか。ンモー!

「じゃあ、まずはアナタです!」。前川が喪黒福造のように美音咲月を指さす。「もうひとりは君!」と、岡は星宮りりを指名した。上下碧は背が高いので上から、渚りりかは背が小さいので下から、それぞれ不安な表情を送っている。

 いよいよゾンビにされるための特殊メークが始まった。最初は美音だ。まずは顔を白く塗っていく。薄い舞妓さんの化粧みたい。その上に、目や鼻に縁取るように茶色のラインを引く。そして、不規則な形のシールをほっぺたに貼りつけ、そこにパレットに何種類もある赤系の塗料を塗っていった。

 このパレットの名称はゾンビパレット。ゾンビにするための色がすべて入ってるからだとか。そうこうしているうちにシールがみるみる肌になじみ、色がつき、アッという間に肉もあらわな痛々しい傷の状態になった。そんな傷をたくさんつけられて、さらに目の周りに赤い筋。唇には茶色の線が入りシワシワに…。これはゾンビだ。ついに、ついにゾンビが出来上がってしまった。

ゾンビになった美音(左)と星宮

「キャー!」と悲鳴を上げる渚と上下。前川と岡も思わず「ギョエー!」と汚い声で驚く。あんなにかわいい子だったのに…。そして、初めて鏡で自分の顔を見た美音は「ヒィッ!」。そう、君は完全にゾンビになってしまったのだよ。

 次は星宮。「この子までゾンビになってしまうのか」と悲しくなっている前川と岡とは対照的に、上下と渚は仲谷さんに積極的に質問しだした。

「あの、このお菓子みたいのはなんですか」。パステルカラーっぽい半透明の塊に興味津々な渚。仲谷さんは「シリコーンですね。3種使ったり2種使ったりしますが、これを混ぜてこうすると…」とシリコーンを星宮の頬につけていくと、焼けただれたような傷の形になるではないか。元はお菓子風なのに使うと怖い。

 さらに渚は「チョコケーキみたいのがある!」と、こげ茶色のスポンジを発見。「ああ、死斑スポンジですね。血の色の塗料をつけて、ポンポンと当てていくんです。全身メークする場合も、これで全身に死斑をつけていくんですよ」。仲谷先生の説明は丁寧だが、話している内容はおどろおどろしい。

「これ、かわいいですね」と上下が興味を持ったのは、お化粧道具のような円形のケース。「それはね、死んだ人の顔をつくる時に使う道具で、名前はデス・ホイールです」(仲谷さん)

 ゾンビパレット、死斑スポンジ、デス・ホイール…まさに特殊メーク三種の神器…いや、三種の魔器だ!

 星宮の顔も、どんどんゾンビになっていく。美音に比べ肌がただれた感が強く、さらに怖い。手際よく筆を動かす仲谷さんに特殊メークをする上で大切なことを聞いてみた。

「自分が作業しているのがどんな傷なのか。切り傷なのか、撃たれた傷なのか、かみ傷なのか。なんとなくではなく、そういうことを想定してメークするのが大事ですね」

 なるほど。傷メーク、ゾンビメークといっても「なんの傷なのか、どういう状況で死んでゾンビになったのか」によって特殊メークの仕方が変わってくるわけかぁ。確かに今回のメークもリアリティー満点で、実に痛々しい。上下や渚も思わず「大丈夫? 痛くない?」と聞いたくらいだ。

 やがて星宮のメークも終わり、美音と合わせて2人のゾンビが揃った。2人揃った迫力は相当なもので、上下&渚、前川&岡が「キャー!」「ギョエー!」と逃げ腰になってしまうほど。しかし仲谷さんは「うーん。なぜかまだかわいなあ…」と厳しい表情。いや、これ以上激しい特殊メークは誰かわからなくなってしまうので十分です。たいがい怖いですから!

 ということで、本物の特殊メークの作業をしっかり見学させていただくことができました。仲谷さん、ありがとうございます! 社会見学というよりも、むしろ魔界見学と呼ぶほうがふさわしいような気もするけど…。

 なお、この特殊メークはリムーバーという道具できれいに取ることができるんですと。

☆かめんじょしこうほせいウエスト=最強地下アイドル・仮面女子の関西地区候補生。連日のようにライブ活動を行っており、特に道頓堀での無料イベント「アリスプロジェクトinとんぼりリバーウォーク」などはアイドルファンだけでなく、観光客も巻き込み盛り上がっている。

☆まえかわ・げん=1975年、北海道小樽市生まれ。桃山学院大卒。ライター、カメラマン。ゾンビものはもれなく大好き。ゾンビ世界になったらどうするかというシミュレーションは常にしている、ありがちなボンクラ。運営サイト「221B ジャーナル」(http://www.221b-j.net/)

☆おか・りき=1975年、大阪府吹田市生まれ。金光大阪高—成安造形大卒。コラムニスト、放送作家。専門分野は80年代サブカルチャー、UMA、パ・リーグ。オバタリアンという全然怖くない四コマ漫画を4巻まで持っている。公式ホームページは、http://www.okariki.com/