歌手の松山千春(60)が15日、東京国際フォーラムで、デビュー40周年記念コンサートツアー「松山千春の系譜」東京公演を行った。

 10月からスタートした同ツアーは12月25日まで全国22会場、24公演を開催。歌あり、トークありの松山のコンサートは、この日もチケットはソールドアウトだった。

 1曲目の「真冬の青空」からすぐに約5000人の観客は〝松山ワールド〟へと誘い込まれた。ノドの調子も良く、やさしいメロディーに伸びやかな高音がマッチ。会場のボルテージはどんどんと上がっていった。

 歯切れの良いトークも真骨頂だ。大ヒット曲「恋」を歌った後「これ、自分が21歳のときに作った歌なんですけど、いきなり『愛することに疲れたみたい~』ですよ。オレは21歳でいったいどんな恋愛していたんだよ」と自分でツッコみ、笑いを誘った。

 また、かつてラジオ番組「オールナイトニッポン」の前半に出演していたときのこと。自分の出番を終えて、後半に出演するロックバンド「THE ALFEE」とよくすれ違っていたのだが、上下関係を勘違いしていたことを明かした。

「交代するとき、坂崎(幸之助)に『頑張れよ!』とか『そのうちヒット曲出るぞ』と言っていたんです。坂崎は『ハイ!』と返事をするんだけど、実は坂崎の方がオレより年上でデビューも先だったんですよ(笑い)。態度がデカイのは今も昔も変わりませんね」

 ほかにも同じ北海道出身で、今年7月に他界した第58代横綱千代の富士貢さん(享年61)との秘話も告白。松山の40年の歌手生活をたどるようなエピソードの数々に観客も聞き入った。

 コンサートの終盤では、代表曲「大空と大地の中で」を観客と一緒に合唱。大盛り上がりの中、ファンは濃厚すぎる2時間を堪能した。