大麻取締法違反(所持)容疑で逮捕され、15日に起訴された元女優の高樹沙耶(本名・益戸育江)容疑者(53)が、大麻使用を認める供述をしていることが分かった。高樹容疑者の周辺では、ほかにも男女4人が同法違反の疑いで逮捕されたが、捜査当局は同被告を中心としたコミュニティーによる“自家栽培”の疑いも念頭に置いている模様。その裏には石垣島特有の事情もあるというが…。

「まだ“何か”を隠しているようなのです。バレたらよほどヤバイことなのかもしれません」

 そう語るのは高樹容疑者に近い関係者だ。逮捕当初、当局の調べに同容疑者は「大麻は私のものではありません」と否認し、任意の尿検査も拒否。一緒に逮捕された同居人の森山繁成容疑者(58)が「大麻は私のものです」と罪を“かぶる”ような供述をした。

「まるで逮捕を見越して口裏を合わせているかのよう。ただ、彼女に森山容疑者との共同所持について突っ込むと、急にもごもごし始めたらしい」(前出の関係者)

 依然として高樹容疑者が“完オチ”したという話は聞こえてこない。大麻の使用については、もともと自身のブログで「18歳ごろに初めて知った」「食べたり吸引した」と白状したり、取材の場のオフレコトークで15年前に「ハワイでやった」と話していただけに、驚きはない。

 大麻取締法に使用に対する罰則もないことから「取り調べで担当官に大麻の効能と素晴らしさを力説することもある」(同関係者)という。

 そんななか、当局が重大関心を示しているのが入手ルートだ。高樹容疑者の自宅からは乾燥大麻55グラムと吸引用パイプ約20本が押収された。相当な量で、集団で“大麻パーティー”を行っていた可能性が浮上している。

 また、7日には高樹容疑者と親しくしていた石垣島在住の海東忠容疑者(56)と須川由美容疑者(55)が同法違反容疑で逮捕された。自宅からは乾燥大麻のほか、大麻樹脂が見つかった。

「大麻樹脂は大麻の樹液を圧縮して作る加工品。密売人から買うこともできるが、大麻を栽培する人は自分で作ることも多い。これが出てきた時点で、自家栽培を疑っている」(捜査関係者)

 高樹容疑者が大麻まで“自給自足”していたのならば、とんでもないナチュラリストだが、石垣島の一部にはそうした風土が存在するという。

 同島の歴史をさかのぼれば、1970年代のヒッピー世代から「ドラッグの聖地」と認識されてきた。それを目的として島を訪れるのはキャンパーやフリーター、ヒッピー崩れの若者たちだ。

 約10年前に石垣島に移住した30代男性は「彼らの多くは市営キャンプ場にテントを張り、マリフアナ(乾燥大麻)のジョイント(紙巻き)をくゆらせている。島に自生するマジックマッシュルームを採ってきては、料理をしてトリップしている若者もいる。毎年夏になるとプライベートビーチでトランスパーティーが行われていますが、みんなキメキメになっています」と明かす。

 別の男性も「石垣でマリフアナを吸っている人たちのほとんどは自分たちで栽培していますよ。場所は秘密ですが、石垣は山が深いので、どこでも栽培することができます。沖縄本島からブツが流れてくることはほとんどありません。この夏には繁華街の入り口近くで売っていた人もいましたね。昼間から堂々と『お店』を出していたんですよ」と話す。

 所持だけでなく、使用のために大麻を栽培していたとなれば、起訴された場合の求刑は重くなることは確実。高樹容疑者の口が重くなるのは、それが理由なのか――。

「現時点で逮捕されているのは彼女を含め全部で5人だが、メンバーはほかにもいる。当局の捜査を察知し、石垣島から別の島に逃亡した者もいるそうだ」(前出の捜査関係者)

 一個人の大麻所持ではなく、組織犯罪に発展するのだろうか。石垣島の住人には迷惑極まりない話だ。