歌舞伎町の廃虚ビルをジャックしたアート集団の奇想天外作品

2016年10月31日 16時35分

ブチ抜かれた床もアート作品

 新宿・歌舞伎町にある廃虚ビルをジャックした若者たちがいる。6人組のアートユニット「Chim↑Pom(チンポム)」だ。誰も考えつかなかったアート作品を作り出すことで、海外でも知られている。

 31日まで開かれている展覧会のタイトルは「また明日も観てくれるかな?」。スクラップ&ビルドをテーマとして、日本の“青写真の描き方”を模索した。解体予定のビルは、1964年に完成した歌舞伎町振興組合ビルだ。

 この展覧会では地上4階から地下1階まで、丸ごと作品になっている。展示の最上階になる4階部分は真っ青に彩られ、床の真ん中には穴が開けられている。作品の名前は「青写真を描くversion2」。

「昔、建築図面のプリントで使われていた“青焼き”のインクを壁に塗っています。感光材なので部屋に光が入ってこないようにしてから塗り、紫外線ライトを当てています。パネルにして展示してあるのも作品です。こちらは、大きなフィルムを作って焼きつけています。この手法で『日本の未来をどうやって描くか』という問いかけを行っています」(メンバーの水野俊紀氏)

 4階の中央部分にある真四角の大きな穴からは、1階まで見下ろすことができる。ブチ抜かれた床は「BUILDBURGER(ビルバーガー)」という作品になり1階部分に置かれている。3階分の床をバンズにして、それぞれのフロアにあった家具や照明器具などを具にしたハンバーガーという奇想天外な発想だ。

 3階部分には「歌舞伎町」をテーマにした展示があり、ネオン、性産業などが詰め込まれた建物のジオラマに、数匹のピカチュウカラーのネズミの剥製が置かれている。新宿で捕獲した、毒エサの効かない「スーパーラット」を使った作品だ。

 2階部分にあるのは、64年の東京五輪にあたって行われたハイレッド・センター(60年代の前衛芸術グループ)による「首都圏清掃整理促進運動」のパロディーや巨大絵画などだ。

 東京五輪に向けて、彼らは多くの作品を発表していくことだろう。