今年は例年とは比べものにならないほど、不倫関係のスキャンダルが多かった。騒動を沈静化させるには、当事者がいかに正しく対応するかが勝負。対応を誤ればバッシングの嵐になるだけに、最近は“神対応合戦”の様相を見せ始めている。

“神対応”という言葉がよく聞かれるようになったのは6月だった。ファンキー加藤の子供を妻が妊娠し離婚に追い込まれたにもかかわらず、きちんと話し合ったうえ報道陣の取材にも誠実に対応したお笑いコンビ「アンタッチャブル」の柴田英嗣の対応からだろう。

「問題が発覚したらすぐに報道陣の取材に応じ、元妻だけでなく加藤を気にかけるコメントを残した。“神対応”と言われるようになったのはここからでしょう」(ワイドショー関係者)

 さらにその直後、落語家・三遊亭円楽の対応も絶賛された。40代美女との不倫が報じらると、すぐに記者会見を開き謝罪。そのうえ「騒動とかけまして東京湾を出航した船と解く。その心は、航海(後悔)の真っ最中です」という謎かけを披露するなど、爆笑に包まれる会見となった。

 同じ6月には、覚醒剤取締法違反で逮捕された高知東生の妻で女優の高島礼子が開いた釈明会見も称賛された。「自ら尿検査を受けたことを明かしたり、『離婚も選択肢の一つ』と赤裸々に答えたことで、誰にも文句を言われなくなった。対応としては完璧」(同)

 最近では、中村芝翫を襲名した中村橋之助の不倫騒動で、取材に誠実に対応した妻・三田寛子も「梨園の妻のかがみ」と絶賛されたのが記憶に新しい。

 ただこんな“神対応”が目立つ背景には、それまでのひどい対応があったから。柴田が“神対応”をする前は、ほとんどがバッシングを浴びてしまう“クソ対応”ばかりだったのだ。

 その最たる例が、1月のベッキーだ。「ゲスの極み乙女。」の川谷絵音との“ゲス不倫騒動”を報じた「週刊文春」の発売前日、あわてて会見を開いたが、これが「報道陣からの質問は一切受け付けない」という中途半端なもの。逆に猛バッシングを浴びて芸能活動休止に追い込まれた。最近ようやく復活の兆しを見せているが、本格的な復帰はまだ果たせていない。

 また落語家・桂文枝も、2月に発覚した演歌歌手・紫艶との不倫騒動で“逃げの一手”に終始。具体的な説明をしなかったため、一時は文枝が出るイベントに多くの報道陣が駆け付ける騒ぎとなった。

「落語家らしくスキャンダルを笑いに変えられなかった。同じ落語家の円楽さんがすぐ謝罪会見を開いたのは、おそらく文枝さんの“クソ対応”を参考にしたんだと思う」(お笑い関係者)

 ただ“クソ対応”のダントツは、政治資金私的流用疑惑で辞任に追い込まれた舛添要一前東京都知事であることは間違いないだろう。最初は「何も悪くない」と開き直ったが、批判を浴びると「第三者の厳しい目で判断してもらう」。そこで第三者が「不適切だが違法ではない」と判断したとして辞職を免れようとしたが、逆に猛批判を浴びてしまった。

 最後も議会に対し、不信任案の提出を「リオ五輪が終わるまで待って」と延命を図る悪あがき。そのうえ辞任が決まると会見は一切開かず、ふてくされたように無言を貫いて公の場から姿を消した。今思い返しても、これほどひどい“クソ対応”は例がない!?