衝撃を呼んだ元人気女優高樹沙耶容疑者(本名・益戸育江=53)の大麻所持容疑による逮捕は、その“余波”が意外なところに及びかねない。25日、沖縄県石垣島の自宅で大麻を隠し持っていたとして厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部(通称マトリ)に現行犯逮捕された高樹容疑者。落選した7月の参院選で「医療用大麻の合法化」を訴えていただけに「やっぱり」の声も多いが、本紙が現役の捜査関係者を直撃すると、とんでもない情報が飛び出した。なんと安倍晋三首相(62)の昭恵夫人(54)の言動も当局は把握しているというのだ――。

 逮捕容疑は25日午前10時半ごろ、自宅で乾燥大麻を所持していた疑い。自宅や愛車、経営しているリゾート施設から乾燥大麻計数十グラムのほか、吸引用パイプなどが押収された。マトリは同居していた自称会社役員森山繁成容疑者(58)と無職小見祐貴容疑者(26)も同容疑で現行犯逮捕した。

 パイプには使った痕跡があり、マトリは3人が大麻を使用していたとみて詳しく調べている。高樹容疑者は「私の物ではない」と容疑を否認しているが、昨今の活動を見れば、疑われても仕方ないだろう。

 2008年に本名で活動し始めた高樹容疑者は12年までに石垣島に移住し、芸能界を事実上引退。自然エネルギーの力を生かして暮らす「ナチュラリスト」を自称し、宿泊施設を経営していた。

 主張はズバリ「医療用大麻の合法化」。SNSなどでは「治療に役立ち認知症予防なども期待できる」「アンチエイジングにもよい」などとつづり、新党改革から東京選挙区に出馬した参院選でも同様に訴えて落選したのは記憶に新しい。

 芸能プロ関係者は「本人の大麻に対する考えはいたって真剣。『良いことが多いのになんでいけないの?』という感じでした。ただ、ここまで公然と大麻のメリットを強調していたから、逮捕されても“やっぱり”としか思えません」と語る。

 ただ気になるのは「なぜ今逮捕なのか?」という点。実はこれには当局の“隠れた意図”があるという。現役捜査関係者が絶対匿名を条件に本紙にこう証言した。

「理由は大きく2つあります。1つは、薬物中毒者の大麻への回帰傾向があること。合法ドラッグが禁止されましたよね? そこで彼らは他の薬物に流れているんですが、大麻は覚醒剤やコカインなどと比べると流通していて手に入りやすい。なので、今大麻の逮捕者が非常に増えているんですよ。それを取り締まる目的がある」

 続く2つ目の理由が重要だ。

「昨今、大麻解放論者がメディアに登場する機会がやたら増えていることを我々は問題視しているんです。中毒性のあるものを、安易に認めさせようという機運に危機感がある」(同)

 当局が本腰を入れるきっかけになった事件がある。それが7月、神奈川県相模原市の障害者支援施設で19人が死亡、26人が重軽傷を負った大量殺傷事件だ。逮捕された植松聖容疑者(26)から大麻の陽性反応が出た。これを当局は重く受け止めたという。

「大麻が直接事件の引き金になったとは言いませんが、何らかの遠因になった可能性は否定できません。今月、町おこしのため鳥取で産業用大麻を栽培していた大麻加工販売会社の取締役が逮捕されたのも、その一環ですね」

 そう語る同関係者は、最後に衝撃的な名前を挙げた。

「大麻解放論者のリストの中には、実は安倍昭恵さんの名前もあります。昭恵さんの活動状況、メディアでの発言はすべて把握しています」

 昭恵夫人といえば、伝統としての大麻文化の普及を訴えていることで知られる。前出の鳥取で逮捕された会社取締役の上野俊彦容疑者(37)を支援していた。上野容疑者は鳥取県の許可を得て栽培していたが、それとは異なる大麻を所持、譲渡した疑いがある。

 昭恵夫人の知人や高樹容疑者のような著名人の事件の“余波”で、あらぬ注意の目を向けられれば、安倍政権へのダメージも生じかねない。

「昭恵さんは“天然”というか、自由人なんですよ。これまでも深夜に布袋寅泰を呼び出して首にキスしたと報じられ、反基地運動の三宅洋平氏と仲良くなった揚げ句、突然首相に電話して三宅氏と話させたりとやりたい放題。首相周辺も本当は困っているんですが、安倍さんはベタほれですから何も言えません」(永田町関係者)

 自民党総裁の任期延長が濃厚でさらなる長期政権も可能になりそうな安倍首相だが、最愛の妻が“アキレス腱”にならなければいいが…。