「月9」出演中の平幹二朗さん 突然死の波紋

2016年10月24日 16時35分

佐久間(左)と揃って離婚会見を行う平幹二朗さん(1984年5月)

 シェークスピア作品を中心とした舞台劇での重厚な演技で知られ、フジテレビ系「月9」ドラマにも出演中だった俳優、平幹二朗(ひら・みきじろう)さんが23日、死去したことが分かった。82歳だった。「NINAGAWAマクベス」など、5月に死去した演出家蜷川幸雄さん(享年80)とのコンビでも一世を風靡した。私生活では1970年に女優の佐久間良子(77)と結婚し、俳優の平岳大(42)と娘の双子をもうけたが、84年に離婚。この離婚劇の異例さが芸能史に語り継がれている。

 平さんは23日午後6時30分ごろ、都内の自宅を訪ねた家族によって、浴室で倒れているのが発見された。一人暮らしで、警視庁北沢署員が駆け付けたが心肺停止状態だったという。

 放送中の「月9」ドラマ「カインとアベル」(フジテレビ系)に主人公の祖父にあたる会社会長役で出演中だった。1963年スタートの「三匹の侍」(同)や、ともに70年代前半に放送されたNHK大河ドラマ「樅ノ木は残った」「国盗り物語」などテレビドラマでも国民的人気を集めた。98年紫綬褒章、2005年に旭日小綬章を受章するなど、その演技が評価された。

 ベテランテレビリポーターで東京・目黒区議の須藤甚一郎氏(77)は、84年5月に都内で行われた平さんと佐久間の離婚会見が最も印象深いと語る。
「結婚15年目、大物同士の離婚だったから大きなニュースになったんだけど、そのとき、最も注目されたのが夫婦それぞれに“男性関係”の噂があったこと。平さんはその前から男性好きの噂があり、公の場でも質問が上がっていた。でも否定も肯定もせず、報道陣が騒ぐのを楽しむように笑うだけ。懐の深い一面があった」

 離婚当時、双子の長男の俳優・平岳大は9歳だった。平さんは「子供が2人いるし、芝居の稽古ができないから」と別のマンションで暮らしていた。佐久間にもテレビプロデューサーとの噂があったため、夫婦揃って“男性関係”での離婚ともみられた。

 須藤氏が離婚会見の会場で「男性関係が原因との噂もありますが」と聞くと平さんは「それは佐久間に聞いてください」と笑顔だった。「今思えば、同性愛の噂があっても動じず、雰囲気づくりができて愛されるパイオニアだった」と須藤氏。

 今年5月に亡くなった蜷川さんとは「NINAGAWAマクベス」など40年にわたる名コンビだった。蜷川演出作品の公開稽古で「蜷川さんが、台本にはないのに平さんに俳優の胸を触らせ『そんなことをやるから男が好きって言われるんだよ』と笑わせてくれた。名演出家と名優が相次いで亡くなった」と須藤氏は故人をしのんだ。

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