歌手として初のノーベル文学賞に決まった米シンガー・ソングライターのボブ・ディラン(75)。いまだ正式にコメントもなく「12月10日の授賞式に現れるのか?」と懸念もされているが、意外にも「現れるだろう」と見ている音楽関係者は少なくない。

 文学賞授与を決めたスウェーデン・アカデミーのダニウス事務局長は17日、「授賞を発表して以来、彼を探そうと試みたが、今は連絡を取ることをやめた」と明かした。

 当のディランは授賞発表後、コンサートを複数回開催しているが、ノーベル賞に関するコメントはなし。コンサートの最後にフランク・シナトラの「Why try to Change me now」(なぜ今僕の気持ちを変えようとするの?)という意味深な曲を歌ったこともあって、授賞そのものに困惑しているのではとも言われ始めている。

 こんなディランの姿勢に高須クリニックの高須克弥院長はツイッターで「反戦のシンボルだった歌手が爆弾製造会社創業者が作った賞を喜ぶわけがない」とディランの心境を“代弁”したほどだ。この高須院長に代表されるように、授賞式には出ない、あるいは辞退するのでは?という見方も根強い。

 そんな中、ある音楽関係者は「これまでディランは、グラミー賞もアカデミー賞もそうですし、ピュリツァー賞の特別賞など数々の賞を受賞している。賞が大好きとまでは言わないが、嫌いではないはずです。今回だって土壇場になったら出てくるだろうと思っている人は音楽界には多いですよ」。

 ディランがコメントしないことにも「コンサートでの選曲が注目されているが、ノーベル賞の発表以後は、むしろ“やる気満々スタイル”になったと騒ぎになっているくらいです。そんな様子を見れば、何も言わないのもディラン流の照れ隠しで、少々カッコつけているんじゃないのか、という人も少なくないですよ」と同関係者。

 ディランがどんなタイミングで、ノーベル賞ついて何を語るのか、楽しみだ。