「世界のクロサワ」に肩を並べた。ベネチア国際映画祭の最高賞など数々の受賞歴がある北野武監督(69=ビートたけし本紙客員編集長)が、フランス政府から、ナポレオン創設のレジオン・ドヌール勲章の4等「オフィシエ」を受章することが18日に分かった。同オフィシエは故黒澤明監督も1984年に受章している。

 北野監督は「これまで自分のやり方でやってきた数々のことで、私が今回このような栄誉を授かることとなり大変驚いています。そして素直にうれしい気持ちでいっぱいです。これからも、自分のスタイルを守りながら、様々な仕事に精進して参ります」と喜びのコメントを寄せた。

 所属のオフィス北野によると、叙勲式は25日、パリ市内のカルティエ現代美術財団内で行われ、北野監督は元フランス文化大臣で現アラブ世界研究所所長のジャック・ラング氏から勲章を授けられる。ラング氏は「あらゆる形態の大衆芸術の発展への熱心な関わりによって、フランス、日本、そして世界中で名をはせた型にはまらない完全無欠のアーティストとして存在していることに、オマージュをささげたい」などと叙勲の要因を説明している。

 レジオン・ドヌール勲章はナポレオンが1802年に創設したフランスで最も栄誉ある勲章とされ、オフィシエは5段階のうちの4等。フランスではほかに国家功労、教育功労、芸術文化などの勲章があり、北野監督は99年に芸術文化勲章で3等にあたるシュバリエ、2010年に同勲章の最高章コマンドールを受章している。

 フランスでは過去に特集上映企画が行われ、カンヌ国際映画祭に「ソナチネ」(93年)や「アウトレイジ」(10年)がコンペティション部門などに出品された北野監督。黒澤監督と同じ叙勲によりフィルムメーカー「TAKESHI」の価値はますます高まる。