ミイラの呪いといえば、「ツタンカーメンの呪い」が真っ先に思い浮かぶ。同様のミイラに関する呪い事件が、1991年にも起こっているとしたら皆さんは驚くだろうか。

 実はこの年の9月19日、オーストリア・イタリア間の国境にある標高3200メートルのアルプス・エッツタール渓谷で、ある一体の男性のミイラが発見された。

 このミイラは「アイスマン」という俗称がつけられ、世紀の発見として世界で報道されたが、このアイスマンにかかわった人々も、ツタンカーメンの呪いと同じく次々と奇妙な死を遂げている。

 最初の犠牲者は、法医学者ライナー・ヘン氏である。彼は発見時に直接素手でアイスマンに触れた人物なのだが、2年後に交通事故死を遂げた。2番目の犠牲者は、遺体運送を行った登山家クート・フリッツ氏である。発見したのと同じ年に、雪崩に巻き込まれ遭難死してしまった。しかも、遭難したのは彼が普段からよく使用していたルートであったという。

 さらに、第一発見者である人物も同地で遭難、5年後にアイスマンが発見された場所と同じ、エッツタール渓谷で遺体が発見されたのである。他にも学者、カメラマン、登山家などなんと合計7人のアイスマン関係者が死んでいるのだ。

「アイスマン」は鑑定の結果、推定5300年前のミイラであり、ツタンカーメンより古いことが判明した。

 また、彼が死亡した理由が遭難などではなく、動脈損傷による失血死と判明。右眼窩は骨にまで至る裂傷が認められ、さらに後頭部に即死に至る量の脳内出血の痕跡があったため、アイスマンは何者かに襲撃され、殺害された可能性が高いという結論が出たのである。

 もちろん他にも滑落事故などによる可能性もあるが、何らかの重い外傷を負ってしまったために彼が亡くなったのは事実だと言える。また、2010年には何らかの要因で亡くなったアイスマンを人々が現地まで運び、埋葬したのではないかとする仮説も出てきている。

 なお、ツタンカーメンの呪い伝説は新聞などが騒ぎ立てたもので、こじつけの部分が多いフェイクだと判明しているが、今回の「アイスマン」関係者の連続する死は不気味なシンクロ現象であるのは事実である。今後、観察が必要な案件なのは間違いないだろう。

【動画】This 5,300-Year-Old Corpse Was Found by Accident
https://youtu.be/j8HXLqwD7uU

(提供=ミステリーニュースステーションATLAS