矢沢永吉(67)がこの夏、鹿児島県の徳之島で新たな“YAZAWA伝説”を作っていた。

 矢沢は6月末、鹿児島県の九州本島部分と沖縄本島の中間ほどに位置する離島である徳之島(人口約1万1700人)で、島民限定の無料シークレットライブを行った。きっかけは「矢沢さんの長年の親友が徳之島出身で、ずっとオファーをかけていた。それが今年、矢沢さんが『ライブ、やっちゃおうか』と急に開催が決まったそうです」とは島民。

 6月に入り、島じゅうに「永ちゃんがライブやるらしい」と噂が流れ、ライブ開催の3日前に告知された。矢沢は来島から島民の度肝を抜いた。

「飛行機で来るのかと思ったら、自家用クルーザーで来たんですよ! その雄姿に島民は『やっぱりYAZAWA、ヤベー!』と大興奮でした」(前出島民)

 ライブは大盛況。8曲ほどを熱唱し、恒例のタオル投げも行われた。MCでも“矢沢節”が炸裂した。

「徳之島ではヤギが食えるって聞いたんだけどさ、牛も食えるみたいじゃん。やっぱビーフだよね! ビーフ!」とあおれば「徳之島のみんな、やっちゃえ、日産!」と自身の出演するCMのセリフもサービス。これに島民は「ワイド! ワイド!」(闘牛の掛け声で「オー!」「やったー!」の意の方言)と応じ、夢の一夜となった。

 矢沢の心意気に、徳之島は全島をあげて異例のもてなしだ。天城町、伊仙町、徳之島町の3町が結束して、伊勢エビ漁師に声を掛け、名産の「伊勢エビ」を島じゅうからかき集めた。

「伊勢エビは簡単に取れるものでなく、漁師にとって秘密のポイントがそれぞれある。あの日ばかりは、徳之島から全ての伊勢エビが消えた。全部矢沢さんに届けられました」(別の島民)。その結果「島から伊勢エビが消えた一日」とすでに伝説となった。さすがYAZAWAだ。