プロ野球の広島カープが25年ぶりにセ・リーグ優勝を果たした。おかげで芸能界でも、カープファンであるタレントの露出が急増。連日のようにカープ芸人、カープ女子がテレビや雑誌、新聞などのメディアに次々と登場している。東スポ本紙でも「カープLOVE著名人 旨酒をくみかわそう」という連載を掲載中だ。

 そうした中、「私、実はカープ女子なんです!」と宣言し、世間からバッシングを浴びているのが元フィギュアスケート選手の浅田舞だ。批判される理由は「こないだまで中日ドラゴンズファンって言ってなかったっけ?」というものだ。

 確かに愛知県出身の浅田は、妹の浅田真央とともに中日のユニホームを着ている写真がネット上にアップされている。2014年7月には、中日のチアリーダー「チアドラゴンズ」に一日限定で参加したこともある。昔は中日ファンだったのは確かだろう。そのせいで「ドラゴンズを見捨てて、にわかカープファンになった!」とバッシングを浴びているというわけだ。

 これに対して浅田は特にコメントしていないせいか、ネット上ではますますバッシングするような書き込みが目立っている。ただ2年前までドラゴンズファンだったが最近、カープファンにくら替えしたとして、いったい何が悪いのか?

 正式に調べたわけではないが、ここ数年の間に中日ファンから広島ファンになった女性は結構多いのではないか? 「新語・流行語大賞」年間トップテンに“カープ女子”という言葉が選出されたのは、まだ一昨年のこと。地味だったカープが明るい雰囲気になり、ここ数年で女性ファンが増えたのは明らかだ。そのことは、たとえ広島ファンではなくても実感できるだろう。

 一方の中日はここ数年、失礼ながら世間から暗いイメージを持たれているのは否定できない。今年は成績が低迷し、報道されることは「監督とGMの確執」といったものが多い。それではファンが離れていくのも無理はない。若い女性なら、なおさらだ。

 もちろん「それでも私は中日を応援する!」と言う人を否定する気は全くないが、それを浅田に押し付けることはできない。「やっぱり明るい広島の方がいい」と感じて応援するチームを変えたことに、何の問題があるのだろうか?

 むしろ浅田には「なぜ愛知県出身の私が、中日ファンから広島ファンに変わったのか?」ということを堂々と説明してほしい。生粋のカープファンの話も興味はあるが、最近の若い女性がなぜ広島に引かれるようになったのか? それも大いに興味がある話だ。