新党大地の鈴木宗男代表(68)と娘の鈴木貴子衆院議員(30)を「叱咤激励する会」が27日、都内のホテルで開催され、代表世話人の歌手松山千春(60)が、安倍晋三首相(62)のサプライズ登場に感激した。

 安倍首相は、臨時国会の合間に宗男氏を激励に駆けつけた。

「12月15日にプーチン大統領が日本にやって来ます。戦争が終わって70年がたっても平和条約がまだ結ばれていない。この異常な状況に終止符を打つためには、オールジャパンでやっていきたい。そのためにも鈴木さんの豊富な経験に期待したい」と熱いエールを送った。

 宗男氏の隣の松山には「松山千春さん。松山さんの歌は、私は音痴ですから“長い夜”を歌えませんが、これからわが党の候補者を応援してもらいたい!」と年末年始の“解散説”を意識してか、現役の人気歌手に異例の自民党候補者応援を依頼した。

 昨年の同会が開かれたのは、野党が猛反対した安保法案が採決された9月18日だった。このとき松山は「俺は安倍総理が嫌いではありません。だからといって“抱かれたい”と思うほど好きではない。積極的平和外交の名のもとにハードルを設け、集団的自衛権を行使するという大転換期を迎えた」と安倍首相をチクリと批判する持論を展開していた。

 だが、この日の松山は安倍首相と握手を交わし、感激した様子でマイクを握ると、会場に向かって「それではみなさん! 総理はまだ忙しい日が続きます! 総理! 総理!」と“総理コール”を支援者に呼びかけた。

 安倍首相は26日の所信表明演説中、自民党議員に拍手を促すようなしぐさをして、猛批判されたばかりだったが、この日の“総理コール”には照れ笑いを浮かべながら、右手を上げて声援に応え、会場を後にした。

 松山は安倍首相が来賓としてこの日、出席するとは最後まで想像していなかったと言い「お前ら、こんなところに総理が顔出すのか。ビックリだよな!」と本音も漏らし、満足げだった。