スマホ向け人気ゲーム「ポケモンGO」の周辺機器「ポケモンGOプラス」が16日に発売され、販売店には朝から大行列ができた。

 プラスの最大のメリットは、スマホの画面を見続けなくてもゲームをプレーできる点だ。スマホと連動させ、手首に巻いたり、ポケットに入れたりして使用する。LEDランプの点滅や振動でポケモンやポケストップの接近を通知し、ボタンを押すとポケモンやアイテムを捕獲・入手できる。

 もともとプラスは7月末の発売が予定されていたが、準備に遅れが出たとして延期された。ITジャーナリストの井上トシユキ氏は「延期はマイナスではない」とこう指摘する。

「一番良いのは、ユーザーや世間がポケモンGOに慣れ、ある程度落ち着いた状態で発売されたこと。これが7月だったら、もっと大きな社会問題になり、さらに批判が集まっていたと思います」

 ポケモンGOは日本版の配信が始まった7月22日以降、衝突事故や私有地侵入など、トラブルを続発させた。スマホを見続けなくて済むプラスはトラブルを軽減させる可能性はあるが、結局「ながら歩き」をすることには変わりない。この発売が、最も熱狂していた7月だったら、さらに多くの事故を誘発していた危険性もあったという。

「今はある程度落ち着いているが、7月だったらもっと悪質な転売をする人間もいたはず」(井上氏)

 16日は数量限定発売で、ネットオークションではメーカー希望小売価格3780円の3倍の値も付いた。それでも一応「常識の範囲内」に収まったのは、発売延期が大きかったようだ。

「今回の発売で、飽きかけていたユーザーをつなぎ留め、また改めてやろうという人を獲得した部分も。今後は、ユーザー同士でポケモンを交換する機能が追加されるとアナウンスされていますから、ユーザーはそれを心待ちにし、今のうちに優位に立てるようたくさん集めたりしています。新たな機器や機能を追加して飽きさせないようにするやり方はすばらしい」(同氏)

 ポケモンGOブームはまだ続きそうだ。