民謡出身の演歌歌手・福田こうへい(39)が1年半ぶりにシングルをリリースしたり、歌手の西野カナ(27)が民謡を習っていたことを明かしたりと、「民謡」が脚光を浴びている。

 三橋美智也さん、細川たかし(66)など、いつの時代にも民謡出身の歌手が歌謡界を支えていた。音楽関係者は「いま、福田の活躍でまた民謡界が熱い。3年前に出した『みちのく民謡ベスト』というアルバムが急激に上昇しているんですが、民謡の裾野は広がっている」。

 そんなブームの中で民謡を歌えるアイドルユニットとして誕生したのが「民謡ガールズ」。小学5年生から中学3年生まで、北は北海道から西は奈良県までの平均年齢11歳の10人組のユニットで、全国の様々な民謡大会で優勝している猛者たちだ。

 7月にミニアルバム「民謡ガールズ」でメジャーデビューした。制作を担当するキングレコードの大槻淳氏は「2020年の東京五輪に向けて、日本文化を世界に発信できるようなものと、考えて作ったのがこの『民謡ガールズ』です」。

 ただ、ユニット結成までは長い道のりだった。「民謡の世界から芸能界にというとなかなか腰が重くなる人が多くて、人選に困難した」と大槻氏。構想してから2年。全国を駆け巡り、ようやくユニットと呼べるような形となった。「曲も『花笠音頭』や『ソーラン節』などの民謡を現代風にアレンジして海外でもウケるようなものに出来上がった」(同)という。

 先月には台湾のイベントに招待され、現地で大盛況だった。「着物で日本の伝統的な歌を歌うというのが分かりやすかったのでしょう。いまは1人が三味線をできるというだけですが、ゆくゆくはメンバー全員が楽器もできてバンド構成もできるようなグループにしていきたいと思っているし、人数もまだまだ増やしていければ」と大槻氏。音楽界に新風を吹き込む存在となるか。