強姦致傷容疑で32日に逮捕された俳優の高畑裕太容疑者(22)の母親で女優の高畑淳子(61)が26日午前、都内で会見を開いた。集まった報道陣の数は300人、生中継を含むテレビカメラ27台がずらりと並んだ。

 細いストライプが入った黒の服に身を包んだ淳子は会場に入ると頭を下げ、「このたびは大変なご迷惑をおかけいたしました。大変なことをしてしまいました。心よりおわび申し上げます」と謝罪。数秒間にわたって深々と頭を下げると、「被害に遭われた女性の方、息子がお受けしていたお仕事へのキャンセル、撮り直し、どんなに言葉を重ねてもおわびの言葉が見つかりません」と疲れきった表情で話した。

 続いて行われた質疑応答で、接見した裕太容疑者の様子が明らかになった。

「ご迷惑をかけたお仕事がどういう状況になっているか、撮影のし直しなど、そのことをまず、本人に伝えなければいけないということで10分が終わり、本人もただ泣いて『すいません、すいません』と繰り返すばかり。私たちも(事件後)初めて顔を見たのに、かけた言葉もよく覚えていませんが…」と言葉に詰まって涙を流した。裕太容疑者の目が腫れあがっており、震えながら「死のうと思った」とも話したという。

 母親として裕太容疑者に危うさを感じたことがあるかという質問には、「思春期に学校で規律を守れないといったことがあった。危惧は常にあったような気がします」と答え、裕太容疑者には男女を問わず、すぐ人を好きになる傾向が見られたという。

 淳子は終始謝罪に徹しながらも、「不謹慎でこんなことを言ってはいけないのですが…」と前置きしつつ、「私はどんなことがあってもあなたのお母さんだからね、お姉ちゃんはどんなことがあってもお姉ちゃんだからねと。申し訳ありませんがそんなことを(裕太容疑者に)言いました」と涙ながらに母親の顔ものぞかせた。

 9月から始まる舞台「雪まろげ」では主演を務めることが決まっており、「この状態でお芝居をやる自信はないですが、舞台になって、今月、今年いっぱいは地方の方に舞台をお見せするのが、私の贖罪だと思います」と舞台降板については否定した。