伝統河内音頭継承者の河内家菊水丸(53)が23日、大阪市の吉本興業本社で第6回「三陸海の盆in南三陸」(27日、宮城県南三陸町)出演記者会見を開いた。

 東日本大震災で亡くなった人を供養するために始まった「三陸海の盆」に、菊水丸は今年で5回目の登場となる。

 東北との縁について「もともと河内音頭は先祖供養の盆踊りで、亡き人をしのんで歌うものですが、私のおはこものに気仙沼出身の『9代目横綱・秀ノ山雷五郎』というのがあります。被災地から1000キロ離れた河内平野で、東北の英雄を歌っているというのは以前から伝わっていて、ぜひ来てくださいと言われてたんです」と説明。これまでも同イベントでは「9代目横綱」を披露しており、今年も演じるという。

「東北は民謡が盛んなところですが、太鼓が津波で流されてしまった」こともあって、太鼓が不足しており「盆踊りがあるたびに、あちこちに貸して回ったりしている」という。

 そのため、菊水丸は株式会社太鼓正の協力を受け、被災地に太鼓の寄贈を行ってきた。今回寄贈する太鼓については「けやきで作られていて、非常に上等なものです」と語った。

 太鼓正の南本庸介社長が「通常だと50万円はするところにさらに手を加えているので、それ以上になります」と明かすと、菊水丸は「50万やったら僕が買います」と笑った。