作家の村田沙耶香さん(37)が芥川賞を受賞したコンビニ店員の人生にスポットを当てた「コンビニ人間」(文芸春秋社刊)が大ヒットしている。芥川賞発表号として、同書の全文を掲載した月刊誌「文芸春秋」9月号(10日発売)は5万部増刷された。

「本が売れることは作家としては最高の喜びなんですが、売れたことで、村田さんのコンビニの勤務先探しがエスカレートしている。特定されれば、コンビニにいづらくなる。下手すればストーカーも出現するかもしれない。村田さんは頭を抱えてますよ」(出版関係者)

 大学時代からコンビニのアルバイトを続けながら、小説を書いてきた村田さん。2003年には「授乳」で、群像新人文学賞を受賞。その後も、いくつかの賞を受賞しながらも、コンビニのアルバイトを続けている。

 文壇関係者は「週3回、午前8時から午後1時まで。芥川賞発表当日も、通常のコンビニの仕事をこなして駆けつけたんです。記者から『差し支えなければどこのコンビニでアルバイトしているか教えてもらえますか』という質問があったんですが、『店長に止められています』と断ったんです」と語る。

 ところが、熱心な読者による村田さんの勤務先探しが始まったという。

「読者の心理から言うと、受賞した本は村田さんがアルバイトしているコンビニで購入したいと思いますからね」(書店関係者)

 そして、危惧されているのが、店の特定によるストーカーの出現だという。

 前出の文壇関係者は「独身の女性作家なのでストーカー男が現れないとも限らない。ネットで店の場所が特定されれば、そのコンビニから、村田さんの住所も明らかになる可能性も高い。村田さんのライフワークのコンビニの仕事はやりづらくなりますよ」と指摘する。

 もはや、専業作家で生きていくしかない!?