UFOの目撃証言は地上からのものに限った話ではない。

毎日、世界中の空を行き交っている飛行機からも目撃されたり、遭遇したケースが存在している。有名なところでは、日本の日航機がアラスカ沖上空で謎の飛行物体を目撃したケースがあげられるだろう。

 1978年10月21日、オーストラリアのビクトリア州メルボルン近郊にあるモラビン空港から一機のセスナ機が離陸した。目的地は約200キロ先のキング島で、フライト目的は一般的な物資輸送であった。操縦していたのはまだ若いパイロットであるフレデリック・バレンティッチ氏。

 離陸してしばらくは順調なフライトを続けていたのだが、午後7時になって奇妙な通信が管制塔に入る。

「奇妙な4つの光が見える」

 それは航空機ではなく、金属製で細長い形をしていて緑色のライトを点灯させており、外側が輝いているように見えたという。

 そして「そいつが上にいる」という連絡の後、通信は途絶えてしまうのである。管制塔の受信機にはその後17秒間にわたって、奇妙な金属音のようなノイズが記録されていた。

 事態を重く見た管制塔からオーストラリア軍に連絡が入り、遭難事件として軍は空と海の両方から捜索を行ったが、セスナ機は残骸一つ見つけられなかったという。

 実はこの事件に前後して、近隣では頻繁にUFOらしき謎の飛行物体が多く目撃されていた。中には同日飛行機を追いかける光点を見たという人物や、偶然撮影した写真に奇妙なものが写り込んでいたという証言も出てきている。

 当日、現場近くで夕暮れの光景を撮影していた人物によるもので、一枚にだけ奇妙な黒い物体が空に浮かんでいるというものだ。一見逆光で黒くなっているようにも見えるが、現像の際に生じたものとも限らないのでUFOを撮ったものであると決めつけるのは危険だ。

 バレンティッチ氏の操縦ミスとも考えられたが、彼は年齢の割りに経験豊富なパイロットであり、管制塔との会話にジョークを交えるとも考えられない。提出された飛行記録が片道分だけであったため、自殺ではないかとする説も出たが説明のつかないところも多く、謎に満ちた事件であることは間違いないようだ。

(提供=ミステリーニュースステーションATLAS