視聴率が低迷するTBSで、唯一“希望の星”といわれる昼の情報番組「ひるおび!」が、秋から放送時間を拡大することが分かった。この変更は、単に評判がいいからとの理由だけではない。枠拡大の裏には2つの目的が隠されているといい、その一つが不振が続くTOKIO・国分太一(41)がメーン司会を務める朝の情報番組「白熱ライブ ビビット」の“救済”のためだという。いったいどういうことなのか――。

「ホンジャマカ」恵俊彰(51)がメーンMCで、八代英輝弁護士(52)、江藤愛アナウンサー(30)が脇を固める「ひるおび!」は、2009年の放送開始直後はなかなか視聴率が上がらなかったが、地道にファンを増やし続け、いまやTBSを代表する番組にまで成長した。その証拠に激戦が続く昼の時間帯で、2部(午前11時55分~午後1時55分)は4年連続の視聴率トップ(15年度は6・7%=関東地区、ビデオリサーチ調べ)を獲得している。

 現在は月曜日から金曜日の午前11時から午後1時55分の枠が放送時間だが、「秋の改編から放送時間が拡大されることが、内定しています。放送開始時間が1時間前倒しとなって、午前10時ごろからのスタートとなりそうです」と内情を明かすのはTBS関係者。

 今のところTBSは平日、早朝5時25分から夏目三久(31)がメーンMCの「あさチャン!」、午前8時から9時55分まで国分、真矢ミキ(52)による「ビビット」を放送中。10時から11時までの1時間を通販番組やドラマ、バラエティーの再放送でつないで、その後に「ひるおび!」という流れだ。

「朝から夜7時までの間で、10時~11時の枠だけが生放送ではなかった。ここに『ひるおび!』を持ってきて、生放送でつなごうというのが一つの目的です」とテレビ局関係者。

 朝から夜まで途切れることなく生放送でブチ抜くというやり方は、ここ数年、視聴率が絶好調の日本テレビが始めた“お家芸”だった。その方式を今春からフジテレビが採用して、遅ればせながらTBSも、同様の手法で視聴率アップを目指すわけだ。

「どうなるかわからない新番組を立ち上げるのではなく、目下、絶好調の『ひるおび!』を持ってきたことでもわかるように、TBSは本気も本気です」と話すのは前出のテレビ関係者だ。

 さらに、この好調「ひるおび!」が“エンジン役”となって、前後の他の番組も引っ張り上げようという意図が隠されている。特に今回は、「ひるおび!」と放送時間がつながる「ビビット」の視聴率を上昇させるミッションがあるのだという。

「視聴率を取る上で、前後の番組のつながりは非常に大事なんです。『ビビット』『ひるおび!』と流れができたことで『ひるおび!』の視聴者をその前の『ビビット』にも引き付けて見てもらおうと考えているんです」と別のTBS関係者は説明する。

「ひるおび!」の後の午後1時55分からは、名古屋のCBCテレビ制作の情報番組「ゴゴスマ―GO GO! Smile!―」を放送しているがこちらもターゲットにされているようだ。

「視聴率があまり良くないために『ゴゴスマ』もその“処遇”が検討されているんです。ゆくゆくはこの枠まで『ひるおび!』がのみ込んで5時間半~6時間の大型番組になるかもしれない」と前出関係者。

 もう何年も年間、年度視聴率のトップ争いに加わっていないTBSだが「ひるおび!」を核として、一気の巻き返しとなるか。