東京選挙区から出馬した無所属の三宅洋平氏(37)は「選挙フェス」という音楽と政治を組み合わせた独自の選挙活動で奮闘するも落選となった。

 選挙期間中、渋谷では女優の一色紗英(39)とXJAPANのギタリスト・SUGIZO(47)、品川では俳優の窪塚洋介(37)、格闘家の山本KID徳郁(39)が応援演説に駆けつけるなど各界の著名人から支持を集め、9日に行われた「選挙フェス」は渋谷ハチ公広場で行われる予定を急きょ変更。陣営関係者によると、多くの聴衆が見込まれたことから品川駅港南口に変更し、2万人近くが集まったという。

 しかし、いざ開票が始まるとすぐに当選困難な状況が明らかに…。

 結果判明後の会見で三宅氏は「4週間の選挙活動を支えてくれたのは全員ボランティア。政党票相手の(選挙の)難しさを感じたが、25万人を超える皆様が目覚めた。新しい政治勢力ができたことを確信しています」と充実した表情を見せた。

 また、三宅氏を推薦した山本太郎参院議員(41=生活の党と山本太郎となかまたち共同代表)も会見に同席し「彼の表現力は政治に必要だと思っている。(この結果は)始まりにすぎない」と健闘をたたえ、最後は「選挙フェス」らしく、湧き起こった洋平コールと太郎コールでにぎやかに締めくくられた。

 三宅氏は2013年の参院選に比例代表で立候補し、落選議員では最多得票の17万6970票を得るも落選。今回、東京選挙区で25万票を超えた。この現象をどのように捉えるべきなのだろうか?

 社会学者で東京工業大学の西田亮介准教授は「前回よりも票を積み増しており、選挙フェスは政治的なことが分からない人を取り込もうとする選挙運動の手法として精度を高めているといえる。そこに参加している人もSEALDs(シールズ)よりも多様性があり、三宅さんは着々と基盤を作っている」と分析。その上で「安定した政治的基盤になる可能性もあるが、教祖化したり過激化の可能性も否めない。どちらへ向かうか、今後も注視が必要だろう」と提言した。

 果たして“祭りの後”から生まれるものは何なのか…。