東京都知事を辞職した舛添要一氏(67)の元妻で、自民党現職の片山さつき氏(57)は比例代表で当選した。

 片山氏は東大卒業後、旧大蔵省(現・財務省)の職員だった27歳の時、舛添氏と見合い結婚したが、結婚生活は3か月で事実上破綻。その後に舛添氏の愛人が妊娠していることも発覚し、2年3か月で離婚が成立した。

 政治資金私的流用疑惑で日本中に舛添バッシングが吹き荒れ、周囲は元妻への“逆風”を危惧していた。当選確実の一報を受けた片山氏は「私の実質、選挙対策本部長でもある深谷大先輩(隆司・元通産相)が『あれだけ国民全体が(舛添氏を)おかしい思ってると、たとえ30年前に関係があっただけで、マイナスだから』とご心配をおかけしました」と語った。

 舛添氏が神奈川・湯河原にある別荘地へ毎週末、公用車を使って通っていたことについて「あの問題は1300万人の命を守る意味での不適切。私自身が首都直下型地震対策法の原案立案者だから、ああいうことをやられてはたまらないなと思ったんで、春ぐらいから改善してほしいと意見表明をしていた。私的流用より前からおかしいと思って申し上げていた」とピシャリ。舛添氏の辞任による逆風についても「元夫の辞任はあまり関係なかったかな」と余裕の表情を浮かべた。

 片山氏といえば、公式サイトに手書きのメッセージで「政治資金が私的流用されない仕組みをつくります」が“元夫”への強烈なしっぺ返しで話題を集めた。片山氏は「(舛添氏の問題が)前からおかしいことは申し上げていた。(舛添氏の)批判というか自分に何ができるかを考えて、片山さつきと書いてもらって、自民党へ票を入れてもらえるようにアピールをできるだけしていた」と胸を張った。

 また、片山氏は今月2日午後7時半ごろ、東京・JR立川駅で街頭演説をしようとした際、左翼系団体とみられる約20人に取り囲まれ、罵声を浴びせかけられたうえに手を叩かれた“事件”も報じられた。

 片山氏は「ビックリしましたよ。立川で誰でも演説できる場所なんです。そうしたらワーッと囲まれまして『アベノミクスの旗振り役だろ』『憲法改正賛成だろ』と。驚いたのはプロフェッショナルな方ならなさらないことをして、(罵声で)完全に私の音声をかき消してしまった。はっきり言って怖かった。お話してみて、間違えたなら人間ですし、悪かったなとかあるかもしれないけど、(それもなく)30分以上つきまとわれたので、確信犯です。それを認めてしまうと、これからも音声を消すことの演説妨害がありになってしまう。民主主義国家でそれはない」と怒りをにじませた。

 被害届の提出についは「インターネット上では、その団体もほぼ特定されている。ビデオを撮った方もほぼ間違いないと言っているので、週明けにもどのようにしていくか。重要なことはこういうことが二度と起きないようにすること」と話した。