東京都知事選(14日告示、31日投開票)に出馬が取りざたされているタレントの石田純一(62)が8日、都内で会見を開き、「野党統一候補であれば出馬する」と条件付きながら出馬表明した。

 石田は出馬要請をした市民団体関係者とともに会見に臨んだ。黒いスーツにネクタイ姿でチャラいイメージを消し「市民の生活と政治がかけ離れているのではないか」と政治の現状に違和感を述べた。

 そして「平和で安心できる暮らしを実現して、災害にも強く、子育て支援も必要という話を市民団体としてきた。野党結集しないと思いを力に変換できない。野党統一候補ならぜひという思いです」と発言。ほかに野党統一候補が決まるなら、その候補を自分は応援するという。

 統一候補になるかは不透明なだけではなく、石田の芸能活動の調整や家族の反対もある。

「調整は一つ二つ残っていて、お話させていただいている最中です。ご迷惑をかけており、叱られています。この後が怖い」と仕事面の調整は進んでいる。

 妻・東尾理子(40)はどうか。

「『叩けばほこりの出る人が何を考えているの』と言われた」とちゃかしながらも、「離婚はないと思う」と家庭は壊さないつもりだ。

 政治的な思いは募っている。

「東京への愛着はある。生まれも育ちも東京です。石原都政のころから教育への締め付けが厳しくなっている。乱暴な言い方だが、押し付けというか」と都政に苦言。さらに、「原発は本当に大丈夫かという声もある。自然エネルギーで世界を引っ張っていくと、東京から発信していきたい」「憲法は権力を縛るものだが、(自民党は)国民を縛るものに変えていっている。笑われたり、バカにされたりしてもいい覚悟で戦っていく」と、国政レベルの話も展開した。

 一方で、東京にある横田基地へのオスプレイ配備について聞かれると、「詳しく分からない」と勉強不足の面も見せた。

 出馬の可能性について「常識的に考えて10%かそれ以下」と話すが、「60歳を過ぎて(社会に)恩返ししたい」とも言う。タレントとして政治色を強めれば、出馬しなくても仕事に影響が出る。

「芸能の仕事に未練はないけど、今後は自分で仕事を見つけていかないといけない。仕事の種類が変わるのはしようがない」と強い覚悟を示した。

 野党への働きかけはこれから。結論は参院選が終わった週明けとみられる。