イラン映画の巨匠・キアロスタミ監督死去 北野武監督と浅からぬ縁

2016年07月05日 11時26分

アッバス・キアロスタミ監督(ロイター)

 シネマの巨星落つ。イラン映画の巨匠として世界的に知られたアッバス・キアロスタミ監督が4日、パリ市内で死去したことがわかった。76歳だった。腸の病気を患い、3月から首都テヘランの病院で治療を続け、最近パリに移っていたという。キアロスタミ監督は「世界の北野」こと北野武監督(69=ビートたけし本紙客員編集長)や日本映画界との浅からぬ縁でも知られていた。

 キアロスタミ監督は1940年、テヘラン生まれ。テヘラン大で学んだ後、70年代初めに監督としてデビューした。小学生の友情を描いた「友だちのうちはどこ?」(87年)が評判を呼び、日本でも有名になった。「桜桃の味」(97年)でカンヌ国際映画祭のパルムドールに輝き、「風が吹くまま」(99年)でベネチア国際映画祭審査員グランプリを受賞した。

 ベネチア国際映画祭では2007年、北野作品の題名にちなんだ「監督・ばんざい!賞」が創設され、キアロスタミ監督は08年にその栄誉に浴した(07年は北野監督)。同賞は、映画界に顕著な功績を残し、新しい挑戦を続ける監督をたたえるもの。08年の表彰式には北野監督も出席し「賞を渡すことができるのは光栄です」と語った。

 日本を舞台にした「ライク・サムワン・イン・ラブ」(12年)も製作。カンヌ国際映画祭のコンペに出品され、ヒロインに起用された高梨臨(27)にとってはステップアップの作品となった。