スキーノルディック複合で長野五輪に出場したスポーツキャスター・荻原次晴氏(46)が30日、都内の文化放送で行われた「リオデジャネイロオリンピック 民放ラジオ統一番組キャスター発表会見」に出席した。
次晴氏は2年前にテレビ東京のソチ五輪メーンキャスターを務めた。ノルディック複合で渡部暁斗(28)が、日本に20年ぶりの銀メダルをもたらした際には人目もはばからず号泣して話題を集めた。
「松岡修造さん(48)が放送ブースに来て『次晴君、僕ももらい泣きしました』と握手してくださった。ネットでトップニュースになったので、五輪の話題を持っていかないでよ、と思われたかもしれない」と冗談めかして振り返った。
松岡氏は次晴氏にとって憧れの存在。「僕がまだ選手時代、キャスターになったばかりの松岡さんが取材に訪れ、食事に誘ってくださった。その際、『この世界でやれるか不安なんだ』と悩んでらっしゃった。外から輝いているように見えても、みんな裏では悩んでいると分かり、その姿を励みに僕もスポーツキャスターをやってきた」という。
そんな次晴氏の双子の兄・健司氏はアルベールビル、リレハンメルと2大会連続ノルディック複合団体金メダリストに輝き、国民的英雄となった。以後、次晴氏はどこに行っても人違いされ、つらい思いをしたと語る。
「兄の存在が鼻につく時期があった。僕は健司が金を取ったからこうなったと考えて心を閉ざしていた。でも、僕が長野五輪に出場して現役を終え『兄の金があったからこそ、僕も五輪に出られたんだ』と思うようになった。そして、子供のころのような仲のいい兄弟に戻れた」。五輪のおかげで人間として成長した次晴氏は、五輪キャスターとして適任といえそうだ。
なお、民放ラジオ局では7月25日から8月5日の間に、見どころなどを伝える6つの統一番組を放送。8月6~22日の17日間には競技結果などを紹介する3つの統一番組を放送する。そのほか男子サッカー、男女のマラソン競技を中継する。