診療報酬の不正受給事件で詐欺罪に問われたセクシー女医タレントの脇坂英理子被告(37)の第2回公判が23日、東京地裁で開かれ、検察側は懲役3年を求刑した。

 起訴状によると、脇坂被告は会社役員の早川和男被告(39)らと共謀し、2012~14年に千葉県船橋市と都内の「Ricoクリニック」などで患者に治療したように装い、診療報酬計約154万円をだまし取ったとされる。脇坂被告と指南役らによる不正請求の総額は約6900万円に上る。

 初公判時と同様、脇坂被告はほぼスッピン。色の抜けた金髪は後ろで束ねていた。

 検察側は「国民健康保険制度を逆手に取り、公金から不正に支出を受けたのは悪質。詐取した金をホストクラブ遊びに充てるなど、身勝手な犯行だ」と懲役3年を求刑。弁護側は「罪の重さを反省している」と執行猶予付き判決を求めた。

 日大名誉教授(刑法)の板倉宏氏は「被害額だけを考えれば、懲役3年、執行猶予4年が妥当。ただし、公金を詐取したという悪質性を考えると一発実刑の可能性もゼロではない」とみている。

 この日の被告の態度も決して好印象とはいえない。犯行について「借金があり、自由に使えるお金がなく、目の前のお金が欲しかった」と、短絡的な動機であることを明かしておきながら「得た金はプライベートで使ったわけではない!」と主張。しかし、検察官の追及に「それは遊びに使っちゃいました」とあっさり翻した。

 入廷時には傍聴席にいた関係者を見つけ、笑顔を見せる余裕も。公判の最後に発言を許されたものの「ありません」と拒否し、弁護人に促されようやく証言台に立つ場面もあった。

 最後は涙ながらに「13年半も医師を続けてきたので、今後も医師として社会貢献して、被害額を弁済したい」と訴えたが、現実は厳しいと言わざるを得ない。判決は7月12日に言い渡される。