7月10日の参院選に政治団体「国民怒りの声」からの出馬を取りやめた俳優・宝田明(82)が19日、都内で開かれた同団体の総決起集会に登壇した。

 同団体は小林節慶応大名誉教授(67)が代表を務め、宝田は目玉候補として全国比例代表での出馬を宣言。10日に行った記者会見では、初主演映画が「ゴジラ」であることから、ゴジラのミニチュアを持参し、「選挙では彼(ゴジラ)も汗を流して応援してくれると思う」と意気軒高だったが…。

 一部ではゴジラを前面に押し出した出馬会見に配給会社の東宝が激怒したという説や、来月末に最新作「シン・ゴジラ」(東宝)の公開が控えており、宣伝活動に影響を及ぼす可能性があるなど「ゴジラの政治利用」が原因で出馬断念に追い込まれたとの見方も出ていた。

 だが、宝田は一転不出馬になった理由について「後進に道を譲る」「健康上の問題」と説明。1997年に狭心症で心臓のバイパス手術を受けたことや、幼少期に満州でロシア兵に撃たれた右腹の傷がいまも痛むことなどを挙げた。

 宝田は出馬はしないものの、同団体の“応援団”に回り、街頭でもマイクを握りそうだ。決起集会後、本紙直撃に宝田は「戦争はしてはいけない。私は幼少期に満州で地獄を見た。泥水をすすり、イナゴと間違えてバッタを食べて腹を壊したんですから」と力説。

 レイプの現場も目撃したことがあるという。

「私は2階の窓から見ていたが、女性が路上で1人でいたので『危ないなぁ』と思っていたら、案の定、前から来たロシア兵2人に連れ去られていった。『助けて~』と叫んでいたが、何もできない。(終わったあと)女性の下半身はすごいことになっていたなぁ」

 戦争の悲惨さをひと通り述べた宝田は「こう言っちゃなんだけど、いまの時代、青年将校みたいに行動に移す人が何で出ないのかなぁ」と物騒な発言も。

 最後は再びゴジラを引き合いに出し「北朝鮮ではカツ丼だか、テポドンだかわからないけど、何か造ってるよね。ゴジラに踏み潰すよう指令を出しましたよ」と豪語。宝田の“ゴジラ節”は参院選期間中も聞けるのだろうか。