12日に心不全のため亡くなった芸能事務所「芸映」会長の青木伸樹(のぶむら)さん(享年89)の告別式が17日、東京・世田谷区の勝國寺青龍殿で執り行われ、歌手の岩崎宏美(57)ら芸能関係者約400人が最後の別れに訪れた。

 青木さんは西城秀樹(61)や浅田美代子(60)らを発掘しスターに育て、1970年代のアイドル全盛時代を支えた立役者。弔辞を読んだ岩崎もデビューから10年間、芸映に所属し実力派アイドルとしてスターの仲間入りを果たしたがその後、事務所を離れた不義理に長年、心を痛めていたという。

「私のわがままで芸映とお別れすることになったとき、『1人になるのは大変なことなんだよ』と静かにおっしゃった。若かった私は意志を曲げずに去ってしまったが、ずっと申し訳ない気持ちが心の中にたまっていた」

 そんな青木さんと7年前、五木ひろしの45周年パーティーで25年ぶりに再会。長年のわだかまりを感じさせず、青木さんは「心からの笑顔で『宏美、お前いい女になったな』と言ってくれた」(同)という。

 当時の思い出を聞かれた岩崎は「『シロミ元気か~』ってよく頭をなでてもらっていた。私も社長が会社にいると『トラちゃん(青木さんの愛称)、元気~』って社長の頭をなでると周りのマネジャーたちに驚かれてね(笑い)。フレンドリーな仲だった」と青木さんの人柄をしのんだ。7年前の再会後も特に旧交を温めることはなかったという。「もっと甘えればよかったな」と岩崎はポツリと漏らした。